一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

本田圭佑の「休み」に関する持論を聞いて思ったこと

今日ネットニュースを見ていたら、たまたま本田圭佑が「休み」について持論を展開していた。

headlines.yahoo.co.jp

 

「成功したい人にとって休日をもらって休んでるようでは話にならない。中学生の時くらいから休みをもらうと出し抜くチャンスやと思って、もっと休みをくれって思ってた」 

 

この言葉を見て、僕は今日本が進めている「働き方改革」について改めて考えた。

 

僕が働いている会社は一昔前まで、日本有数のブラック企業であったと思う。

 

一方、数年前より「働き方改革」に異常なほど熱を入れている。

 

一昔前まで土曜出勤(サービス出勤)は当たり前で、

姿を現さないと上司から所在の確認のため電話がかかってきた。

出勤しない場合、事前に上司にお伺いを立てないといけなかったのだ。

 

 

逆に今は異常なまでの勤務管理体制となっている。

個人のパソコン上の操作履歴(クリック一つ)から事務室の入退室記録に至るまで、

不正な勤務がないか常に人事部が目を光らせているのである。

 

今や絶対に土日・休日は社員を働かさせないスタンスで、

万一出勤する場合は必ず代休を取得する必要があるのだ。

 

 

しかし、しかしである。

このようなガチガチな勤怠管理の中では、労働時間の上限が決まっている関係で、

他人と同じ時間しか働けない。

そうなると、人事異動や中途入社などで新たに配属された人間が、

その所属に昔からいる人間を超えるパフォーマンスを発揮する(本田の言うところの出し抜く」)ことが難しくなってくる。

 

もちろん、その人間のセンスや地頭でカバーできることもあるのだろうが、

こと「経験」という部分においては、投下した時間の分だけ蓄積されていくものであり、

労働時間の制約によりこの積上げができないのである。

 

 

繰り返し話しているが、僕は最近上司との馬が合わず、いわゆる左遷を経験した。

alonewolf-memorandum.hatenablog.com

 

こうなってしまったことについては全く後悔がなく、むしろ今の「営業」という仕事を楽しんでいる。

営業は給料をもらいながら人間の総合力を高めていける仕事であると感じている。

 

とはいっても、新しい仕事ということもあり、異動当初は圧倒的に経験と知識が不足していた。

したがって、先輩方に追いつくために、土日返上で自発的に担当している企業や地区などについて、あらゆる角度から分析をしたいと思っていた。

 

ある日「出勤扱いにしなくていいので、会社のパソコンを使わせてくれ」と上司に相談をした。

昨今の流れからして、「NO」という返答がくることはほぼわかっていた。

予想通り、彼からは非常に強い「NO」という返事がきた。

「土日に事務所に入ることなど絶対に許さない」ということだった。

 

とにかく会社は自発的(自己研鑽に近い)に仕事をするということも一切許さない方針で、

これは当社に限ったことではなく、多くの会社でこれに近い温度感で「働き方改革」に取り組んでいるようだ。

 

よく考えるとこれは非常に勿体ないことで、会社としても僕が収益に貢献できる営業マンになるのがそれだけ遅れるのである。

(しかも休日返上・無給で学びたいと言っているのに!)

 

まあ会社がそう言うのであれば、ルールを無視してまでがんばろうとも思わないし、

それで懲戒処分など受けようものなら愚の骨頂である。

 

営業の仕事はまだまだ自分の能力の伸びしろがあると考えているから、

当社業務にかかわる領域ではなく、営業としての普遍的なスキル向上に努めている。

 

僕は今働いている会社での昇給や昇格はもう興味を失っている。

ただ、社会人としてのスキル向上についてはまだまだ貪欲なつもりだ。

 

だから、本田圭佑の言葉を見て、会社の進めている「働き方改革」のことは忘れ、

休日をもらって休むのではなく、自分磨きに励みたいと改めて思った。

 

ワークライフバランス謳歌したい人間は、胸を張ってそう生きればいい。

そうできる環境は整ってきているはずだ。

だが、仕事をしたい人間の邪魔をすることが「働き方改革」の目的ではないはずである。

そろそろ方向転換が求められる時期に来ているのではないだろうか。