一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

成毛眞氏の『発達障害は最強の武器である』を読みADHDについて考えた

先日、成毛眞さんの『発達障害は最強の武器である』という本を読んだ。

 

 

もともと僕は彼のファンだ。

彼は人生において常に「逆張り」を意識していて、常識をまずは疑うという姿勢を貫いているからだ。

実際に、彼は世間がIT一色に染まったと認識するやいなや、マイクロソフトの日本法人の社長を辞職している。

「人生長い目で見るとアマノジャクが得をする」というのが彼の矜持である。

彼の様々な著書を読むと、破天荒なエピソードには事欠かない。

  

さて、この本ではADHD・をはじめとした発達障害について持論が述べている。

彼は医者ではないから病気の詳しいことや治療方法には踏み込まれてはいないが、

発達障害はできることなら直さずにしておくことがその人間の武器になるというのがざっくりとした趣旨だ。

実際に自分をADHDではないかと言っており、そのエピソードを見るとなるほどと思うことばかりだった。

 

 

ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴の三本柱は以下のように一般的に言われている。

「多動性」・・・長時間落ち着いて座っていることができない
「衝動性」・・・思ったことをすぐに言動に移してしまう
「不注意」・・・忘れものをよくしたり、約束をよく忘れる

 

彼は子供の頃、授業中に勝手に教室内を歩き回るなど、問題児として扱われていたという。

これは「多動性」によるもので、還暦を迎えた今もじっと座っているのが苦手ということだ。

(常に身体を揺らしているというからかなり怪しい笑)

 

一方で、興味のあることに並外れた集中力を発揮するのもADHDの特徴の一つ。

この「過集中」によって、成毛氏は時間を忘れて仕事に没頭することができたようだ。

 

さらに「衝動性」のおかげで、普通ならばあり得ない企業を相手に営業をかけて商談を成功させたというエピソードもある。

(衝動買いは日常茶飯事で、アマゾンの普及で24時間目の前でお店が開いている危険な状態になったといった話もあった笑)

 

日本の教育では、他人と違うことをする子供は排斥されるから、こういった特徴をもった子供は孤独感や劣等感を覚えやすい。

しかし、社会に出てから、そして特にこれからの時代、「他人と同じことしかできない人間」にどれだけの価値が見いだされるのだろうか。

 

世間を見渡しても、他人と同じことをやった「成功者」は一人もいないのは明らかだ。

成毛氏も本書の中でこのように言っている。

 

主力事業とは一見関係のない情報を物色する「多動性」、思いついたらやってみずにはいられないという「衝動性」、興味のあることに着手したら止まることのない「過集中」。
成功を収めている企業のトップたちは、ADHDが有する特性を少なからず持ち合わせているように思えてならない。

 

社会人として最低限必要なマナーなどを遵守することはもちろん必要だが、

それさえクリアできれば無理やりADHDは直す必要はなさそうだ。(むしろ武器になる)

 

 

さて、ここからが本題。

この本を読み終わって思ったこと。

「あれ、自分完全にADHDじゃん。」

 

<多動性>

僕も小学校時代は5分と席に座っていられない子供だった。

先生の話している内容よりも周りが気になってしまい、どうしても座っていられなかったのだ。

しかし、テストはほとんどいつも100点だったので、知能とADHDは関係ないだろう。

むしろ軽度のADHDであれば、知能が高い傾向にあるとも聞く。

大人になった今でも、一つのことを長時間やるのは苦手で、

短い時間ずつたくさんのことをやるという仕事の進め方や生活スタイルが好きだ。

 

<過集中>

高校時代は一時期受験勉強にハマり、寝ている時間以外常に勉強をしていた。

食事中・風呂・トイレはもちろん通学途中にも歩きながら参考書を読んでいた。

面白いことに成毛眞氏も受験勉強にはハマったというエピソードがあった。

仕事では、面白い仕事だったら休日返上はまったく苦にならない。

 

<衝動性>

衝動性もいかんなく発揮してきた。

思ったことはすぐに友達にぶつけて大ゲンカしていたし、部活動も一回嫌なことがありその時の感情で辞めた。

ある程度お金の自由ができてからは、欲しくなったら即買いしている。

(本当にアマゾンは怖い)

仕事をしていて決断力があると言われるのはこの衝動性とも密接な関係があるだろう。

 

<不注意>

マイナスに働く「不注意」も残念ながら傾向としてあるのは否定できない。

社会人ではうっかりは許されないから、メモと手帳をフル活用して、仕事上のミスを防いでいる。

だが、プライベートではよく物を忘れるから、残念ながら根本的な性質は大人になっても変わっていないのだろう。

直近では、3回連続で病院の診察券を忘れ、受付のお姉さまに呆れられたなんて話もある。

 

 

とにかく、この本を読んで、ADHDというものの性質を知れたことは大きかった。

そして、自分がなんとなくその性質をもっていること(それはすなわち成功者になれる素質も高いこと)がわかり、前向きになることができた。

 

「周りとうまく馴染めない」と悩んでいる大人におすすめの一冊!