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【書評】『上京物語』喜多川泰

今日は先日の記事で簡単に触れた本を改めてご紹介。

最近長距離の出張が多く、オーディオブックを聞きまくっており、昨日読了(聴了?)したので、感想を述べたいと思う。

 

上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え

上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え

 

本書は、祐輔という青年が父から手渡された日記帳を上京する新幹線内で読むという設定になっていて、scene1(「祐介」の物語)とscene2(父からの手紙)の2部構成で成り立っている。前半の『「祐介」の物語』は、父が息子に書いた小説である。主人公の祐輔と同じ読み方をする青年「祐介」が、成功者を夢見て大学を卒業してから、結局平凡な中年になって自分の半生を後悔するまでのストーリーが描かれている。後半の「父からの手紙」では、父が佑輔に対し、常識を否定して自分の価値観を作っていく方法を『「祐介」の物語』の祐介の人生になぞらえて語りかける内容になっている。

 

父からの手紙に書かれている、破るべき5つの常識の殻をご紹介。

・幸せは人との比較で決まる

・今ある安定が将来まで続く

・成功とはお金持ちになることだ

・お金を稼げることの中からやりたいことを選ぶ

・失敗しないように生きる

「われわれが常識だと思っていることは、主にテレビや映画などを通じて植え付けられた一つの価値観でしかない」という考え方は同意。そのまま人生を過ごしてしまうと、どれほど頑張って成功者になろうとしても、結局「祐介」のようになってしまうだろう。真の成功者として本当に幸せな人生を送りたければ、今まで育ってきた中で刷り込まれてきた常識の殻をやぶって、その殻の外側に出なければならないのだ。残念ながら僕はアラフォーと言われるような世代であるが、まだ道半ばである。「幸せは人との比較で決まる」という考え方はしないようになったけれど。そして、常識の殻の外から見れば、多くの人が常識だと思っていることが、成功とはかけ離れた考え方であることがわかるようになるだろう。「他人となんか比べなくても、昨日の自分よりも一歩でも前進しようと努力しているとき、人は幸せを感じるようにできているんだ。」青臭いけど、特にこのフレーズが好きだ。

 

父からの手紙に書かれている、自分の価値観を持つ3つの方法はこちら。

・「時間」を投資する

・頭を鍛える

・心を鍛える 

「お金」ではなく「時間」を(とりわけ読書に)投資することで、将来大きなリターンを得られるということを作者は強調している。本書に限らず喜多川泰氏の著作は読書の重要性を説かれた本が多い。大学入学のため上京する息子のために書かれた内容ということもあり、やはり読むのが若ければ若いほど参考になる内容になっていると思う。とはいえ、僕のようなアラサー・アラフォー世代が読んでもまだまだ遅くはない内容である。小説の形を取った自己啓発本なので読みやすく、普段自己啓発本を読まない人にもオススメの一冊。

 

 

上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え

上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え

  

 

おしまい