一匹狼の回顧録

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【書評】『一生、同じ会社で働きますか?』山崎元

今日ご紹介するのも転職本。

転職活動をゆるく始めてからけっこうな冊数の転職本を読了しましたが、どの本でも共通して言われていることがけっこうあって基礎的な知識が定着してきた気がします。

 

一生、同じ会社で働きますか?


一生、同じ会社で働きますか?

 

本書は先般ご紹介した『転職大全』同様、「転職マニュアル本」的な印象の本。12回の転職経験のある著者が、転職にまつわるあれこれについて、問題となる場面とその対処法を教えてくれる内容になっている。

「転職」という単語を日常的に耳にすることが増えて来た昨今において、転職についての基本的な知識を知りたいという読者にもってこいの本だと思う。

 

 <目次>
Part1 転職の哲学 個人の自由は会社の都合に優先する
Part2 転職のある人生設計 転職で人生設計の自由度が拡がる
Part3 転職の作法 会社との上手な出逢い方・別れ方
Part4 転職者のビジネス心得 有能または要領のいいビジネスパーソンになる

 

本書は以上のような四部構成になっている。Part1の「転職の哲学」では、転職の基本的な考えや心構えが説明されている。Part2の「転職のある人生設計」では、転職を選択肢に入れたキャリアプランの描き方について書かれている。Part3「転職の作法」では、実際転職する際のあれこれ、具体的には職務経歴書の書き方やヘッドハンターとの付き合い方から会社のきれいな辞め方まで、転職のコツや注意点が紹介されている。本書の肝となる章である。最後のPart4「転職者のビジネス心得」では、会社員としての日々の過ごし方について、転職しないとしても役に立ちそうな内容になっている。個人的にはランチの過ごし方の話が興味深かった。

 

【ポイント】

次の転職が「時間」・「お金」・「自由」のどれを目指したものかを明確に意識しよう。

転職はこれら3要素の比率を大きく変えるイベントなので、転職にはしっかりとした自分なりのテーマを持って取り組むべきということ。単純に「上司が嫌だから」ではなく、こうしてロジカルに考えることは大切ですね。

 

自分というものを、「自分の仕事」を商品として販売する一つの会社のような存在だと考えてみよう。

転職本でよく言われる内容ですね。こう考えると、今勤めている会社が「主たる取引先」ということになるが、取引条件によっては取引を打ち切ったり(=転職)、取引先を増やす(=副業)ということを選択肢として持てるようになる。

 

「転職の基本は猿の枝渡りだ」・・つまり、次の会社への入社を確実にしてから、現在勤めている会社に退職の意思を伝えるということだ。

これも転職本では必ず言われていることです。退職してからの転職活動は以下3つの点で不利だといいます。

①仕事のキャリアに空白ができること

②年収交渉で不利になること

③焦りやプレッシャーのよる悪影響

 

 

冒頭申し上げたとおり、著者の山崎元氏は東京大学経済学部を卒業後に12回の転職を経て、現在は楽天証券で勤務されている。巻末の12回の転職年表と各転職についての振り返りコメントもなかなか面白い。

今後、働く期間が伸びる一方で終身雇用の崩壊が現在進行系で進んでいる今、これから転職しようとしている人も、今は転職を考えていない人も、転職に関するベーシックな知識を身につけるのに役に立つ内容になっているかと。 買いの一冊です!

 

 

一生、同じ会社で働きますか?


一生、同じ会社で働きますか?

 

おしまい