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【書評】『捨て本』堀江貴文

今日は7/30に発売されたばかりのホリエモンの新刊をご紹介。

 

捨て本

捨て本

 

概要

本書はいわばホリエモンが書いた「思考」の断捨離本。著者の人生体験の時系列に沿って語られている自伝的な一面もあり。「モノ」の断捨離法や整理法についてはほとんど言及されていないので、そういった内容には期待しないほうがいい。

 

<目次>
序章 this moment 大切なモノを捨てていくことが、本当に大切なモノにアクセスする手段となる。
第1章 from 1972 to 1990 /所有欲/「所有」と「獲得」。この2つは似て非なるものだ。決して混同してはならない。 ほか
第2章 from 1991 to 2003 /童貞マインド/女子が近くにいても挙動不審でまともに話せない。なぜなら「傷つきたくない」から。 ほか
第3章 from 2004 to 2013 /後悔/良いこと・悪いことは表裏一体。だから過去も未来もあれこれ「考えない」。 ほか
第4章 from 2013 to 2019 /持ち物と思い出/思い出を捨てられない人はヒマなだけだ。場所はおろか時間まで取られてタチが悪すぎる。 ほか
終章 to the future これは確実な根拠と予測に裏づけられた成功するビジネスだ。

 

本書の内容

お気に入りのチョッキを勝手にママ友に譲られて号泣した幼少期、友達の少なかった小学校時代、女子とまともに話せなかった大学時代、時代の寵児として連日メディアで取り上げられてからライブドア事件が起きるまで、そして収監から今に至るまで。彼も昔は、世間大半の人間と同じように、モノを大切にしてきた。だが、さまざまな出来事を通じ、「捨てる」作業を繰り返し、「持たない」暮らしに至ったという。彼は、自分のある種の強さは「捨てること」と「持たないこと」の徹底した積み重ねが基礎だと言っている。本書では、そんなホリエモンが半生を振り返りつつ「捨てる論」を明かしてくれる。

 

ポイント

誰かがあなたについてどう思おうが、それは何も問題ではない。相手の側の問題だ。他人が誰を嫌おうと、何を考えようと、あなたの人生には関わりがないのだ。(「ぶつかり合う勇気」より)

まさに『嫌われる勇気』の「課題の分離」の話ですね。ホリエモンアドラー心理学に出会う前からまったく独自にこの境地に行き着いたというのですごいと思います。

関連記事:職場の悩みに効く「課題の分離」(byアドラー心理学)

 

他人は、何の責任もとってくれないのだ。だから、どんな苦境も自分のせいにするべきだ。(「誰かのせい」より)

「自責マインド」ですね。経営者や実業家の本を読むと大体このことが書いてあります。

 

長い付き合いの友だちが何十人もいる、と自慢げに言う人がいたら、僕は要注意だなと思う。同じ価値観に固まって生きていて、思考も知識もバージョンアップしていない可能性が高いからだ。(「人間関係」より)

 これも完全に同意。「同窓会に行かない」というところもまったく彼と同じ。基本的に自分が上の次元に行くにつれ、昔の知り合いとの話は合わなくなるもの。人間関係は常時自分の見えている景色に応じてアップデートしていくべきものだと考えています。

関連記事:人間関係を常時アップデートしていく

 

このご時世に、数十年の長期ローンを組んで、家を買っている人が、まだけっこういる。信じられない行為だ。社会情勢や気候や交通事情が変動を続けるとわかっているのに、立地も基本的な建て組みも変えようがない、不自由な家を契約して、わざわざ長期支払い義務を伴う借金を背負う度胸には、恐れ入るしかない。しかも持ち家には固定資産税がかかる。ローンの金利もとられる。定期的に修繕費も必要なうえ、土地の上の建物部分の価値は減価し、地価そのものにも変動リスクがある。無駄な出費を強いられるのは必至だ。(「家」より)

 

ボロカスに書いてますが、僕も持ち家否定の賃貸肯定派です。有名な話ですが、ホリエモンは自分の家を持たずホテル暮らしなんですよね。ホリエモンほどの資金力はないので毎日ホテル暮らしは無理だけど、未来のことがわからない以上、「持ち家」にはリスクしか感じません。

関連記事:持たざる者は最強という話(マイホーム編)

 

感想

最近連続で発刊されている他の著書同様、過去のホリエモン本の焼き直し感は否めず、既に何冊も彼の著者を読んでいる人には物足りない内容かもしれないが、ホリエモンの思考を「断捨離」という切り口から語られた本として読むといいかもしれない。

しかし、いくらベストセラーになるからといって、こうやって毎月同じような本を出すのもそろそろ限界かなあとも感じた(でも面白いから買っちゃうんだけど笑)。ホリエモンの基本的な思考や、ホリエモンの過去のエピソードなんかもたくさん書いてあるので、ホリエモン本デビューを考えている方には特にオススメの一冊になっているかと。

 

捨て本

捨て本

 

おしまい