一匹狼の回顧録

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【書評】『ブチ抜く力』与沢翼

今日はあの「秒速の男」の話題作をご紹介。

 

ブチ抜く力 (扶桑社BOOKS)

ブチ抜く力

概要

皆さん本書の著者、与沢翼氏をご存知であろうか。かつて怪しげな(失礼)情報商材を見事なマーケティングで売りさばき、「ネオヒルズ族」「秒速で1億円稼ぐ男」など世間からもてはやされ、その派手な私生活はたびたびメディアで取り上げられていた。しかし、2014年に自身のブログで「資金が完全にショートした」と突然カミングアウトし破産宣言。その後はすっかり表舞台から姿を消したものと思われていた。僕も「与沢翼は終わった」と世間の皆と同様の目で彼を見ていた。

しかし、彼は2018年までの4年間にとんでもない実績を残していたのだった。

 

<目次>
第1章◆基本の法則
「すべての根底にある大原則」
第2章◆ビジネスの法則
「人と群れるな。誰とも組まず、単独で突っ走れ!」
第3章◆投資の成功法則
「勝負は、チャンスが来る前から始まっている」
第4章◆健康の法則
「一日一日を全力で。その積み重ねが大きな結果に繋がる」
第5章◆情報収集の法則
「情報収集も3週間。「一人突っ込み」を繰り返し、センターピンを掴まえろ!」
第6章◆未来予測の法則
「これからの世界で起きる事を予測し、逆算して今から動こう!」

 

本書の内容

彼が海外に移住してから、2018年に至るまでの4年間に、出してきた主な実績を本書より引用する。

・仮想通貨に1億3,500万円を投資して3か月で27億円にし、そのうち14億円を利益確定して出金。

・65日間で91.2㎏から69㎏まで22 ㎏のダイエットに成功。

・世界各地に計40戸、総額45億円分の不動産を全てキャッシュで購入。

・世界有数のプライベートバンク、Bank of Singaporeに口座を開き500万ドル(およそ 5億5,000万円)分の社債を購入。

・掛け金5億2,000万円、保障32億円の生命保険に加入。

これらの結果を最短・最速で獲得してきた原動力が、本書のタイトルでもある「ブチ抜く力」ということだ。

ブチ抜く力とは、あらゆる常識を覆し、世間の考える限界を突破して、とてつもない結果を超スピートで得るための力のこと。

第1章の「基本の法則」では彼の成功哲学の根底にある大原則を学ぶ。ここで語られる法則はすべてのジャンルでの成功の基礎となる。続く第2章ではビジネス、第3章では投資、第4章では健康(主にダイエット)、第5章では情報収集、そして第6章では未来予測について、それぞれ彼の実体験に基づいた方法論が詰まっている。

  

ポイント

もし、あなたがどうしても達成したい「何か」があるなら、その目標のためだけに時間、エネルギー、コスト――自分が持ち得る「全て」を絞り出し、一つの事に賭けてみて下さい。生半可な覚悟や中途半端な行動は、無意味です。とにかくひたすらストイックに、自分が心から「やり切った、もうこれ以上はやりたくない」と思えるまでやり抜く。これが唯一にして絶対の成功法則だと、私は確信しています。(第1章「基本の法則」より)

ホリエモンが実践する多動力とは真逆で、「一点集中型で最短・最速の結果を求める」というのが彼の基本的なスタイルになります。

 

深夜残業で疲れていても、恋人や家族との大切な日であっても、いかにストレスが溜まっていたとしても、決めた事は守る。守れないなら最初から決めない。なぜなら、破る度にどんどん自信を失っていくからです。

いかに自分が不安でも、精神的・体力的にキツくても、決して周囲に対して弱音を吐かない。

強気の瘦せ我慢を貫く事で、自分の殻や世間の評価、常識を飛び越えて、徹底的にブチ抜いた結果を出す事ができるのです。(第1章「基本の法則」より)

こういうストイックさは素直に好感が持てるし、見習うべきだと思います。与沢翼氏にはいい印象がなかったけれど、努力家なんですね。

 

「一人」でいることがビジネス成功のカギ(第2章「ビジネスの法則」より)

その理由の一つは、「自分と向き合う時間が持てる」からだと。他にも3つの理由を挙げています。やはり成功者だけあって的を射たことを言っています。

 

誰もが生きていれば必ず10歳、年を取った自分に出会います。今20歳の人には30歳が来るし、今40歳の人には50歳が来ます。それなら、はなから10年後を生きてしまえばいい。10年後を今から鮮明にリアリティを持って思い描いていくくらいの感覚が正しいのではないでしょうか。(第3章「投資の法則」より)

この考え方は投資に限らず人生を考えるにおいて非常に大切な視点だと思います。僕もお恥ずかしながら、この歳になってようやく「今が楽しければいい」という享楽的な考え方ではなく、先の人生を想像することができるようになってきました。

 

感想

ホリエモン信者の僕としては、どうしても本書で語られるブチ抜く力(一点集中型)⇔多動力という対立構造で読んでしまった。しかし、かくいうホリエモンも、大学受験時代は半年間休みなしで14時間勉強(10時間睡眠)の日々を過ごしたというエピソードがあるので、成功者と言われる方にはすべからく爆発的な集中力があるということには変わりはないのだろう。

ちなみに、今の与沢翼氏のバックグラウンドは、海外暮らしの投資家である。自分でもニートのようなもの」と本書の中で語られています。「27日間プロテインドリンク以外摂らない」とか「新しいことに取り組む際には3週間寝る時間以外は調査につぎ込む」など本書で挙げられている手法は、一般的な会社員が真似するのはやや難しい部分もあり、時間がある大学生やニートの方などには真似しやすい点が多くあったように思う。もちろん、僕のような普通の社会人の方も興味を持ったら読んでほしい。

 

 

おしまい