先日より取り上げている「ビッグファイブ」について。
ビッグファイブは人間に備わる5つの性格特性で、個々人のパーソナリティ(人格)はこれらの組み合わせだと考えられている。
①経験の開放性(おもしろいか、つまらないか)
②堅実性(信頼できるか、あてにならないか)
③外向性(明るいか、暗いか)
④同調性(みんなと一緒にやっていけるか、自分勝手か)
⑤安定性(まともか、まともでないか)
これ以外にも「知性」という他人を判断する際の重要な要素があるが、一旦置いておく。
以下の記事で、ビッグファイブの解説と測定方法についてそれぞれ書いているので、まずはそちらを参考にしてほしい。
関連記事:知性とビッグファイブで自分を知る
ビッグファイブと仕事の成果の相関関係
ここで気になるのが、それぞれの性格特性と仕事の成果の結びつきの強さではないだろうか。
テキサスA&M大学のマレイ・バリック教授らの研究によると、「堅実性(真面目さ)」「外向性」「安定性」「協調性」「経験の開放性」の順に各特性と仕事の成果との関係が強くなっていくという。
これを図式化すると以下のとおりになる。画像は『Dybe!』というサイトより拝借した。
(引用:https://ten-navi.com/dybe/1272/)
大人でも伸ばせるビックファイブ
それでは、われわれのような大人になってからも伸ばせるビッグファイブはあるのだろうか。
「性格特性」というと生まれつきのもの、遅くとも幼少期・少年期には確定してしまうようなものに聞こえがちであるが、実は、仕事などのスキル同様、大人になってからも伸ばせるものがある。
イリノイ大学のブレンド・ロバーツ教授らの研究によると、「堅実性(真面目さ)」「安定性」「協調性」は何歳になっても人生を通じて伸びることがわかったという。これらは10代の伸びよりもむしろ、20代、30代の伸びが大きいということは注目に値するだろう。
「外向性」や「経験の開放性」など伸びない性格特性もあるが、十分伸ばしたり鍛えたりできる性格特性もある、という事実には大いに励まされるものがあるのではないだろうか。
性格は変わらないと思われがちであるが、新しい環境に飛び込んだり、新しい仕事に挑戦したりすることで、人間は成長し変わっていくことが多くあるということを認識して過ごすといいだろう。
おしまい