一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

日系大企業サラリーマンの攻め時・守り時

僕は新卒で日系大企業に総合職として入社しました。十数年の会社人生で、自分の性格に合った仕事もあれば全く合わない仕事も経験し、ウマが合う上司もいれば合わない上司もいました。実績が出せた年もあればイマイチな年もあり、マズいことをしでかしたことも何度かあります。

それでも、アラフォーになるまでの今まで、新卒で同時に入社した同期の中では、トップ集団(いわゆる第一選抜)として役職・社内資格ともに最速で昇進をしてきています。

今日は、ここまでの会社人生で意識してきた、日系大企業に勤めるサラリーマンの攻め時・守り時について語りたいと思います。

 

第一選抜とは

日系大企業の出世・選抜システムとして、未だ多くの会社で「同期」(◯◯年入社)という考え方が根強く残っています。

実際、僕の勤務先では、6年目までは横並びで昇進し、差が付き始めるのが7年目で係長級に昇格するタイミングです。この、同期の中で差が付き始めるタイミングで最短で昇進していく集団が「第一選抜」です。 この第一選抜に漏れると、その後の昇進・昇格は遅れ気味になります。

日系大企業は年功序列というイメージを持たれがちですが、もはやそれは過去のものです。日本の大企業は第一選抜の人たちが優先的に出世する仕組みになっています。出世している先頭グループが、どんなにその人に実力や実績があっても、その先輩の先頭グループを追い越すことはないので、年功序列に見えるだけです。当然、第一選抜から漏れた人は、後輩の第一選抜に追い抜かれるので、年功序列に見えるのは一部だけというのが、日系大企業の実態です。

 

出遅れるとほぼゲームオーバー

係長級への昇進のタイミングでは、第一選抜の約1~2年後には大体の同期(よほどの問題児やメンタルで長期休務した者などを除く)は係長級に昇格します。

 

なーんだ、たった1〜2年の遅れじゃないか

 

と思ったら大間違いです。次の昇進時、例えば係長級から課長級へ昇進する際に、同じ係長級の中から実力順に選ばれるのではありません。同じ係長級の中の第一選抜から優先的に昇進していきます。同じ実力であれば明らかに第一選抜が優遇されるシステムになっています。

要するに、20代中盤までの人事評価により、以後の出世の可能性がほぼ決まるわけです。ですから、どうやっても第一選抜に入り、各選抜の年次で最短で昇進する努力と工夫をする必要があります。

第一選抜から数年(2~3年以上)遅れると、その遅れを取り戻すことはほぼ不可能になります。人事部の幹部候補リストから除外されてしまうからです。人事考課では、後輩と争うことになりますが、特に最近は傾向として若手が優先されがちなのが実態なので、厳しい戦いになることは必至です。

それでは、以下で第一選抜から漏れないために意識すべきことをお伝えします。

 

選抜年次の前年は我武者羅に働く

一番大切なのは、選抜年次の前年に我武者羅に働くことです。

昇格の際、直近数年の人事評価を考慮されて決まることは間違いありませんが、一番大事なのは直近一年間の査定になっていると思います(「終わりよければすべてよし」的な発想)。クイズ番組でいうと、最終問題は得点が3倍になるあれと同じです。

なので、選抜年次の前年は我武者羅に働くことをオススメします。1月頃にはおそらく翌年の昇格については決定していると思うので、2月・3月は平常稼働でいいでしょう。年内の9ヶ月間を特に死ぬ気で働きましょう。直近数年間の評価が◎の人は、コンプラ的なミスをしたり、人事決定権を持っている役員に嫌われたりするなど、一撃死亡するリスクのある行動のないよう心がけておけば大丈夫でしょう。

 

合う仕事・合う上司・実力派の上司の時に攻めにいく

冒頭申し上げたとおり、 会社人生も長くなってくると、仕事・上司ともに合う・合わないが出てきます。意識するといいのが、合う仕事・合う上司・実力派の上司の時に攻めに行く(加点を取りに行く)ということです。

仕事が肌に合っていれば実績や成果も出しやすいでしょうから、その時はぜひ加点を取りに行くべきです。また、上司とウマが合う時は、多少のミスは多めに見てくれますので、リスクを取って加点を狙いに行くべきです。また、人事部に対して発言力・影響力のある実力派の上司の場合は、気に入られるように努めましょう。

一方、逆のケースの場合は加点を狙いにいくのは難しいでしょう。あくまで減点されないことを目標に働く「我慢の年」と位置付けてしまいましょう。あまり仕事に余計な付加価値を付けようとせず、与えられた目標を100点満点で仕上げれば御の字くらいの気持ちで臨むといいでしょう。合わない仕事というのは上司や同僚から見てもわかるはずなので、長くそこにいる可能性は少ないです。合わない上司であれば、尚更すぐに異動させてもらえるでしょう。次の部署で加点を狙いにいけばいいのです。

 

なにせ一社にしか勤めていないため、経験に基づいて書いた部分が多いですが、大学時代の友人などの話を聞く限り、割と日系大企業はどこもこんな感じなのではないかと思います。けっこう本質をついていると思うので、参考にしてみてください。

 

 

おしまい