一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

謙遜してから相手を注意する

今日も『人を動かす』から対人コミュニケーション術をご紹介。 

人を変える九原則の3つ目は、「自分の過ちを話す」という表題になっている。

これは、人を注意したい時は、まず自分の失敗談から話すということである。

 

このテクニックは、人を変える九原則の一つ目の「まずほめる」に構造が似ている。

「まずほめる」では、相手を持ち上げてから本音を言う流れに対し、今回の「自分の過ちを話す」では、自分の誤りを認めてから本音を言う流れになっている。いずれにしても、本音を伝える前に相対的に相手の立場を上げておくのがカギとなっている。

本書で繰り返し言及されているとおり、人間誰もが自己の重要感を得たいと思っているのだ。

 

今回は、ドイツ帝国最後の皇帝ウィルヘルム二世のもとで、首相を務めていたフォン・ブロウ公のエピソードが紹介されている。 イギリス訪問中の皇帝が大変な暴言を吐いてしまい、それが新聞に公表されたことがあった。たちまちイギリス国中の憤激を買い、ドイツ本国の政治家たちも、皇帝のひとりよがりに唖然としていたという。あまりにも問題が大きくなったので、さすがの皇帝も驚いた。そして、なんとフォン・ブロウにその責任を転嫁しようと図ったのだ。つまり、皇帝はフォン・ブロウの言うがままにしゃべったのだから、責任はフォン・ブロウにあると宣言しろというわけだ。しかし、ここで、フォン・ブロウは上手に自分をこきおろし、皇帝を持ち上げた(皇帝の自然科学への造詣の深さを褒めるという謎のエピソードw)ことで事なきを得たという話になっている。

 

僕自身も役職者になった当初、部下のマネジメントが下手だったため当時の上司にこのように言われたことがある。

「俺が一匹狼の年次の時より、お前ははるかに優秀だと思うよ。だけどさ、部下に対して少し冷たすぎるんじゃないか」

このように言われると、耳を傾ける気になるものだ。

 

D・カーネギーのいうとおり、人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きして、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずに済む。覚えておこう。

 

 

人を変える原則③
まず自分の誤りを話したあと相手に注意する。

 

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

 
 

 

おしまい