一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

わずかなことでもほめる/期待をかける

今日も『人を動かす』から。本書の復習もいよいよ終わりに近づいてきました。 

人を変える九原則の6つ目は、「わずかなことでもほめる」。

 

本書全体を通じて「ほめる」ことの重要性は何度も繰り返し強調されている。

冒頭の人を動かす三原則の2つ目が「重要感を持たせる」であるが、これは要するに相手の長所を見つけて、ほめたり励ましたりすることである。

カーネギーの言う通り、たとえ少しでも相手が進歩を示せば、心からほめよう。それに力を得て、相手はますます進歩向上するだろう。

 

学校へは四年間しか通わず、父は借金のために刑務所入り。三度の食事にも事欠くありさまで、ネズミの巣窟のような倉庫の中で、靴墨の容器にラベルを貼る仕事をしていた男がいた。人の寝静まった頃を見はからってそっとベッドを抜け出し、書き上げた小説の処女作を郵送した。次々と作品を送ってみたが、全部送り返されてくる。だが、とうとうある作品が採用され、その時は原稿料はもらえなかったが、編集者からほめられることで人生を変えた人物がいた。

それは、『オリバー・ツイスト』やホリエモンが主演を務めて話題になったミュージカル『クリスマス・キャロル』の原作を書いたチャールズ・ディケンズである。

 

われわれも、職場で部下や後輩の悪いところばかり目につき、それを指摘することに精を出していたりしていないだろうか。批判・注意したい気持ちをぐっとこらえ、わずかなことでもほめるように意識してみてはどうだろう。

 

人間には、他人から評価され、認められたい願望がある。ただ、注意すべきは、心のこもらないうわべだけのお世辞には、反発を覚える。本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果を上げるのだ。小手先の社交術を説いているのではない。他人の長所を考え、嘘ではない心からの賛辞を与えるようにしよう。

 

人を変える原則⑥
わずかなことでも惜しみなく心からほめる。

 

人を変える九原則の7つ目は、「期待をかける」。

 

相手をある点について矯正したいと思えば、その点について相手はすでに他人よりも優れていると言ってやることである。相手に能力を発揮させたければ、彼がその能力を備えていることにして、公然とそのように扱ってやるがよい。良い評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるのだ。

 

本章の例では、インディアナ州にあるトラック販売店のサービス部長の下で働いている機械工の仕事ぶりが目立って悪くなってきた時の例が挙げられている。サービス部長は機械工を叱りつける代わりに、彼の能力と経験をこれでもかというくらい称賛したうえで、最近の仕事の能率の低下を指摘し、既に確立された定評を努力目標として示した。この約束を、機械工は守った。

 

僕も、思いつく例はある。全く自分の主張を言わない新人がいて、正直コミュニケーションの取りようがなく手を焼いていた。まったくモチベーションが上がらずに9時2~3分前に会社に来て、17時になった瞬間に帰宅してしまうような社員である。当然、仕事の成果など出るはずもない。たまたま朝事務所で二人になった時に、彼が自分の新人時代と比べていかに優秀かほめてやることにした。その新人は満面の笑みを見せ、以後こちらに質問などをしてくるようになった。今では、短い勤務時間で効率的に仕事をこなす、今の時代に求められている人材になったのだ。

 

人を変える原則⑦
期待をかける。

 

人を動かす 新装版

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おしまい