今回もD・カーネギー『道は開ける』から、「平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法」をご紹介していく。
同節6章目のタイトルは「レモンを手に入れたらレモネードをつくれ」というもの。
これも創元社お得意の直訳のため、一瞬何を言ってるのかわかりにくいが、英語で「レモン」という単語には「不快なもの」という意味がある。その他、レモンには欠陥品・魅力のない人間という意味もあるようで、あまりいいイメージのない言葉のようだ。
要するに、苦い経験に直面したら、そこから教訓を学び、状況がよくなるように努力せよという話である。
あのナポレオン・ヒルも『思考は現実化する』の中で、「逆境の中には、すべてそれ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」と言っている。
後悔や苦い思い出、悔しさがあるなら、その中から今後のためになる利益を引き出すことを考えるのだ。
自分の生まれ育った境遇、人生で突然訪れた不運について、不満や文句を言いながら諦めてしまう人は多い。だが、そんなことをしていても人生は待ってくれない。
カイジの利根川ではないが、クヨクヨと迷っていると貴重な機会を失うことになりかねないのだ。
(©福本伸行)
そもそも、負の感情から起こるエネルギーというものは凄まじいものであるから、これを活用しない手はないのだ。
僕が女性に困らない生活を送れるようになったのも、なんで俺はこんなにモテないんじゃぁああっっ!という超マイナスな感情が全ての始まりだし(笑)。
中学時代人一倍勉強したのも、自分のポテンシャル的にスポーツで生きていくことが不可能だと悟り、僕ちゃん天才だから必ず東大行ってやるんだからねー!チミたちはせいぜい中途半端にプロスポーツ選手を目指し続けて大学にも行けずに路頭に迷いなさいwと心に炎を燃やして机に向かっていた。
※東大には落ちました
カーネギーのいうとおり、とにかく二つの理由のためにわれわれは現状打破を試みなければならないのである。今に絶望しているのであれば、取りも直さず今がマイナス地点なのだから失うものは何もないのである。
第一の理由──成功するかもしれない。
第二の理由──たとえ成功しなくても、マイナスをプラスに変えようとするだけで、後ろを振り返らずに前方を見つめることになる。消極的だった考えが積極的になり、それが創造力を活動させ、われわれを多忙にし、過ぎ去ったものを嘆く時間や気持ちはなくなってしまうだろう。
あなたの今の悩みはなんだろうか。
・ブサイクだったら清潔感を出せ
・デブなら痩せろ
・教養がないなら本を読め
・離婚したなら思い切り遊んでよりよい女を見つけろ
・出世がおくれたら開き直って定時に帰って遊べ、もしくは転職する準備を進めろ
・会社をクビになったのなら、今までしたかったことを思う存分やれ
・もはや万事休すでも日本という国で五体満足で生まれた自分ならなんでもできると強く信じろ
われわれに平和と幸福をもたらす第六の鉄則を覚えておこう。
◉運命がレモンをくれたら、それでレモネードを作る努力をしよう。
おしまい