今日もD・カーネギー『道は開ける』を勝手に復習するシリーズ。
PART6「批判を気にしない方法」の、最後の3章目のタイトルは「私の犯した愚かな行為」。
見出しとなる章タイトルはかなり重要なので、創元社のカーネギー本は、直訳をする前にもう少し読者目線に立った方がいいといつも思うのだが、本章では「自分の愚行を記録し、振り返ること」ことの重要性について述べられている。
D・カーネギー自身が、若い頃は自分が苦境に立つとよく他人を非難していたそうだが、歳を重ねるにつれて、そうした不幸はすべて自分の責任であることに気づいた。いわゆる自責マインドに目覚めたのである。
そのきっかけになったのが、彼のある習慣だった。彼は自分の犯した愚かな行為を記録し、自分の書棚に保存し、その愚行メモを取り出して再読することで、今後自分が直面するであろう困難に対処するのに役立てていたのだ。
似たようなことをして、名を上げた人物が他にもたくさんいる。
USスチールの販売部長職から身を起こし、アメリカのいくつもの大企業で取締役を務めたH・P・ハウエル氏は、毎週土曜の晩を、その週の仕事の反省と評価・再検討に充てていた。
ベンジャミン・フランクリン(アメリカ合衆国建国の父と言われ、政治家や発明家、作家としても著名。現在でもアメリカ紙幣の100ドル札に肖像画が印刷されている)に至っては、毎晩自己反省を行い、有名な『13徳』を思いつくに至った。
当時、世界最大の石鹸製造会社コルゲート・パルモライブ・ピート石鹸会社の社長であったE・H・リトル氏は、顧客へのセールスに失敗したときに、売り込み先を歩きまわり、自分が売り込んだ時の失敗や意見を聞いて、自身のその後の販売スキルの改善につなげていった。
D・カーネギーはこのようにまとめている。
小人物はごく些細な批評に対しても逆上するが、賢い人は自分を非難し、攻撃し、論争した相手からも学ぼうとする。
前回、不当な非難は気にしなくていいという話を書いた。
alonewolf-memorandum.hatenablog.com
一方、自分に教訓を与えてくれる正当な批判があることも間違いない。
のちのち人生の糧とするためにも、しっかり自分の愚行を記録し、振り返ることは大切だ。
そのためのツールとして、いつも言っていることだが、毎晩の「日記書き」を勧める。
日記を冷静に振り返ることで、当時の行為や感情を思い出し、それらが自分自身に極めて有益な忠告を与えてくれるからだ。
alonewolf-memorandum.hatenablog.com
非難を気にしないための、第三の鉄則はこれだ。
◉自分の犯した愚行を記録しておいて自分自身を批判しよう。私たちは完全無欠を望めないのだからE・H・リトルのやり方を見習おう。偏見がなく、有益で、建設的な批判を進んで求めよう。
おしまい