今日もD・カーネギー『道は開ける』を勝手に復習するシリーズ。
今回も、PART7「疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法」から。
そして、本日は最終章「不眠症で悩まないために」。
最後の最後で、この本はかなり大切なことを教えてくれる。
僕の昔話になるが、今でこそ、どこでも眠れる図太さを身につけたが、幼少期から中学生くらいまでは、夜ベッドに入っても眠れない日々を過ごすことも多かった。
今思い返すと、単純に日中疲れていなかっただけかと思われるが、「眠らないといけない」というプレッシャーで余計に眠れなくなり、精神的ストレスがかかるという無限ループにハマる日が少なくなかった。
母親に相談しても「目を閉じていればそのうち眠れる」という適当なアドバイスしかもらえなかった。母親にはぜひ同じカーネギーが書いた『人を動かす』を読んでもらい、相手の立場に身を置くことを勉強してほしいものである。
この章で一番覚えておきたい大切なことは、無理に寝ようとせず、眠れないなら生産的な活動にその時間を使うということだ。
本書で紹介されているサム・アンタマイヤーという弁護士は、大学へ通っている時、喘息と不眠症の二重苦に悩んでいた。
どちらも治りそうのないことに気づいたので、彼は開き直って眠れない時間を利用することにした。
結果、どのクラスでも優秀賞をかっさらい、ニューヨーク市立大学の天才児と言われたのである。弁護士を開業してからも彼の不眠症は治らなかったが、眠れない夜間を読書・仕事に当て、莫大な弁護料を稼いだ。それでも、彼は健康そのもので、81歳という当時にしてはかなりの長寿をまっとうした。
僕の経験上も、眠れない夜の読書はかなり捗るので、寝付きの悪い夜は思い切って電気を点けて読書に勤しむといいだろう。
「不眠症について悩むことは、不眠症そのもの以上に害がある」とカーネギーは言う。
カーネギーのクラスの受講生で、不眠症を苦に自殺寸前にまで追いつめた男のエピソードがある。不眠症が原因で死ぬことは基本的にない(※)ので、そのことに悩み、次第に生命力が衰えて、病菌のために命を失うのだ。そのことを覚えておこう。だから、眠れなくても平気だと自分に言い聞かせ、目を閉じて横になっているだけでも休息ができると信じることが大切だということだ。
※遺伝性の致死性の不眠症というものはごく少数症例がある模様
その他、祈ることで睡眠を促進するやり方、身体の力を抜いて筋肉の緊張を緩める方法、肉体的な活動によって体を疲労させ疲れ果ててしまう方法などが紹介されていた。
特に、最後の方法は原始的だが効果的だろう。完全に疲れ切っていると、人間は戦争の爆音・恐怖・危険の中でさえ眠るとも書かれている。あなたも、学生時代にハードな飲み会の後、朝までカラオケで騒いでいると、知らぬ間に大音量の中寝てしまった経験はないだろうか。
不眠について悩まないようにするために、次の5つのルールを覚えておこう。
◉一、眠れない時には、サミュエル・アンタマイヤーを見習うこと。眠くなるまで起きて仕事をするか、読書をしよう。
◉二、睡眠不足で死んだ者はいないことを思い出そう。不眠症について悩むことが、睡眠不足以上に有害なのだ。
◉三、祈るか、ジャネット・マクドナルドのように詩篇第二十三を繰り返し読むこと。
◉四、体の力を抜くこと。
◉五、運動をしよう。起きていられないほど肉体を物理的に疲れさせること。
これで、『道は開ける』については読了となる。
カーネギーが言うように、本書を何度も熟読されることをおすすめしたい。
今はKindleのハイライトに変わってしまったが、紙の本で読んでいた当時は、自分の問題に応用できる箇所には付箋を貼りまくっていた。その部分を何度も読んで、利用するのだ。本書はあらゆる悩みの解決本なのだから。
次の復習シリーズはやはり『7つの習慣』しかないかな。これもかなり重厚な本だけど、確実に人生を変える本なので。
おしまい