一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

社会に出てから、何を磨く?

大学(高校や専門学校)を卒業すると、会社員になる人が多いだろう(本ブログでは自虐的に「勤め人」とよくいっている)。

そして、勤め人として社会に出ると、自身が選んだ業界・職種・企業によって様々なキャリアが待っている。当然、そこで身に付けられる知識・経験・スキルも異なる。そして、日々しっかりと意識しない限り、そこで得られる以外の知識・経験・スキルの習得は極めて困難である。

今日は、少し立ち止まり、自分の人生を長い目で想像し、今後歩んでいきたいと思っているキャリアと、その道に必要な能力開発について考えてみたい。

というのも、選んだ道によって、必要とされる能力が大きく異なってくるので、それに向けて意識的に努力をしないと、永遠にその道を歩むことは難しいからだ。「努力」とは、時間をかけて勉強することだ。勤め人はハードに労働すると、なかなか気力も体力も金銭も残らないようなシステムになっている。だから、余計に意識的な努力が必要なのだ。

なお、以下で紹介するキャリアの何が正解ということはない。自分があとで振り返ってよかったと思えればそれが正解なのだ。

 

キャリア 必要となるスキル
①会社人 我慢強さ・ゴマすり・慣習への順応性
②業界人 専門的知識・経験・スキル
③スーパーサラリマン 幅広い知識・ポータブルスキル
④ビジネスオーナー ビジネスの一連の流れの理解(と経験)

 

社会人としてのキャリアを4つに分類した。

 

①会社人とは、今の会社での出世を目指すルートである。

終身雇用・年功序列が約束されていた高度成長期から平成の中盤頃までは、安定性・将来性などを総合的に考慮すると、これが一番の選択肢だっただろう。しかも、難しいスキルは要求されない。上司・先輩からの時に無茶とも言える要求や休日の付き合いに対する我慢強さがあり、ゴマすりができ、そしてその会社独自の慣習へしっかりと順応すればよかった。令和の現在も業界によってはまだまだ美味しい蜜を吸えるところは少なくないはずだ。②③④への道も意識しつつ、吸える限り蜜を吸い続けるのは一つの賢い選択だ。

 

②業界人とは、業界の知識・経験・スキルに関して高度なものを有し、同業他社への転職ができる人材である。これから時代も変わっていくと思うが、基本的に30代中盤以降の転職は、外資系企業がメインとなる。外資系企業は、ジェネラリストではなくスペシャリストを求めるため、今の会社でできる限り転勤せずに経験を積むことがカギとなる。これが、①会社人として出世するルートと背反するのでなかなか難しい。たとえば経理→営業への転勤の話が出て、それがステップアップと言われた時に、受け入れるか断るかの判断が求められた時、この話を思い出すといい。

 

③スーパーサラリーマンとは、業界を問わず、どの会社でも働ける会社員のことをこう呼ぶことにした。幅広い業界や時事問題などについての知識に加え、ロジカルシンキング・マネジメント力・分析力など、どこにでも持ち込めるスキルの習得が必要だ。生まれつきの頭の良さも求められてくるだろう。正直、このレベルの頭脳を持っているのであれば、起業したほうがいいのではないかと思うが、社会保障・福利厚生・固定給・失敗してもクビにならないなど会社員特有のメリットもあるため、会社に籍を置いている優秀なビジネスマンもいる。この境地に達することができたら安泰だろう。

 

④最後に、自分のビジネスを持つビジネスオーナーへの道だ。ここを目指すには、さらに浅く広くビジネス全般についての勉強が必要だ。仕入れからマーケティング、販売、アフターフォロー、決算まですべて自分で管理できないといけない。したがって、経営に関する知識(戦略論など)はもちろん、会計に関する知識(財務諸表の読み方など)、市場に関する知識(ファンダメンタルズ分析・テクニカル分析など)、法律に関する知識(民法・税法など)、営業スキル、そしてビジネスを興すための資金も必要となる。もちろん、すぐに独立を目指さずに勤め人と並行してまずはスモールビジネスを始めるのもよいだろう。

 

あなたが今会社員であれば、下を目指せば目指すほど時間外の労力は増す。一方、下に行けば行くほどリスクは小さくなる。

①~④のそれぞれは、他を排斥するものでないので、①会社人をやりながら、②③の転職の準備をしたり、④起業の準備をするというのも大いにありだ。このご時世、何の向上心も持たずに①会社人に安住し続けることはリスクであるということだけは言えるだろう。

各人が努力を向けるベクトルについて考える機会になれば幸いである。

 

 

おしまい