一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

父が教えてくれたメンタルマネジメント法

母親っ子だった僕は、父親とはほとんど話す機会がなく育った。

僕の父は典型的な昭和のサラリーマンで、僕が起きる前に会社に行き、僕が寝た後に帰宅するというような生活で、姿を見るのは日曜日だけだった(と言っても一日中寝ていて体力温存という景色しか記憶にない)。

今振り返ると、あれこそ「労働者は搾取されている」とマルクスが言っていたそのままの状況だったように思うが、なにしろ父親とゆっくりコミュニケーションを取る機会は皆無だったのである。

 

そんな中、どんなシチュエーションで言ったのか覚えてないのだが、父親が何回か言っているのを聞いて印象に残っている言葉がある。

 

おい、今の日本に生まれた時点で半分勝ったようなもんだぞ

 

僕の父は戦後生まれだが、祖父が戦争で満州に行った経験があり、幼少期から茶の間では戦争談義が日常的に行われていたという。

そんな父だからこそ、こうした思いを持っていたのかもしれない。

この言葉を最初に聞いたのは多分小学校高学年くらいだったように思うので、この言葉を理解するまで長い時間がかかったが、今ならわかる。

 

Twitterでこんなフレーズを有名人がつぶやくと、炎上間違いなしという感じがする。

今の日本は、ワープア少子高齢化、年金制度崩壊、コロナ解雇など、問題が山積といえばその通りだ。それは認める。

 

ただ、この島国から一歩外に目を向けると、「下を見ればきりがないが、上を見るとすぐ天井」ということに気づくだろう。

これは、すぐ近くの大きな国や半島の某国では言論の自由すら与えられていなかったり、遠くアフリカでは多くの紛争・内戦が継続されていて、明日の命の保障すらない人々がたくさんいることを思えばわかるだろう。

だから、やや現実逃避的ではあるが、「下を見て安心する」というメンタルマネジメントはシンプルで効果的だと思う(1円もかからないし)。

 

また、もう一つ僕が実践しているのは、過去の辛かったことを書き留めて見返すことだ。

誰しも死ぬほど辛かった経験・悔しかった経験の一つや二つはあると思う。

そのことを文字に残しておいて、何か嫌なことがあったときにそれを見るだけ。

これも「下を見て安心する」手法の一つなのだが、先ほどの方法のように他人を見る(というか軽く見下す)のではなく、自分を対象としている分、より健全なやり方なのではないかと思う。

 

ちなみに、僕が人生で一番辛かった時代は、新入社員時代。

スーパーブラック労働なうえ、女性の扱いもわからず全くモテませんでしたから、こんな人生が一生続くくらいなら死のうと毎日思ってました。

あの時死ななくてよかったです。

今は9時5時でまったり働いて、こうして徒然と文章を書いて、たまに女の子とセックスして、と人並みに豊かな生活ができているのではないかと思います。

 

おしまい