本題に入る前に、まずギバー・テイカー・マッチャーについて紹介します。
ギバー・テイカー・マッチャーとは、「与える者こそが時代の成功者になる」と説いた『GIVE & TAKE』の著者アダム・グラント氏が提唱した、人間の思考と行動を3タイプに分類した定義です。
ギバー:惜しみなく与えるタイプ。自分を犠牲にして人に尽くす自己犠牲型のギバーと、相手によって自身の関わり方を変える他者志向型ギバーがいる。
テイカー:与える量よりも多く受け取ろうとするタイプ。自分の利益を優先する。
マッチャー:ギバーとテイカーの中間に当たるタイプ。相手によって自身のスタンスを変える。相手がギバーならギバーとして接し、相手がテイカーならテイカーとして接する。与える量と受け取る量が5分になることを目指す。
経営者の本とか読むと、「ギブアンドギブせよ」とよく言っています。
ホリエモンも「ビジネスはギブアンドギブ、おまけにギブ!」なんてことを言っています。
要は、上の例で言うとギバーになれということですね(他者志向型ギバーが最も成功すると説かれています)。
ただ、これはあくまで「信用」「人脈」を得ることが成功につながるネットワーク社会でのこと。
会社というムラ社会で働く限り、ギバーは搾取されて終わります。
なぜならサラリーマンの世界では、誰かが昇進すれば自分が昇進しないというゼロサムゲームなので、ギバーよりも短期的利益を追う戦略が有利になるからです。
だから、テイカーになる必要はありませんが、マッチャーであることを意識しましょう。
あなたにとってメリットが何もない人間と関わる必要はないということです。
逆に、自分が所属している部署やプロジェクトの中で、自分がチームや他人に対して与えられるメリットをよくよく考えて、自分のポジションを築くこともかなり大事なんじゃないかと思います。
「組織の全体最適」みたいな没我的な姿勢がよしとされがちですが、そんなのはキレイゴトで、ほとんど人は割と単純にメリット・デメリットの感情で動いていると思うんですね。
僕にとってメリットがある人間とは、
・昇進・昇給させてくれる
・仕事をする上で有益な情報を与えてくれる
・仕事を楽に進められる
・単純に話していて楽しい
というようなことが挙げられます。
これらをまったく満たさない人物からの要求には過度に応えないようにしています。
もちろん、職責上必要であれば最低限対応しますが。
上司にとってメリットがある人間とは、
・部の営業成績が向上する
・部のメンバーの育成につながる
・職場の雰囲気が良くなる
などが考えられます。
自分にメリットを与えてくれる上司に対しては、相手にとってどんなメリットを与えられるかを考えて行動するようにしているんですね。
所属の残念な先輩(40代後半)が、権力を盾にして、「役に立つ情報はない?」と僕ら後輩から情報を引き出そうとして、自分は何も与えないという典型的なテイカーがいます。
そいつと話すメリットがこちら側にないので、僕は何を聞かれても「わからない」と言ってますね。ムシが良すぎる。
今期も引き続き人事異動を避けつつ、こいつを追い出すことを目標にやっていきたいと思っています。
おしまい