連休初日の今日は久々にナンパ系の本を読んでみた。
ナンパが最強のソリューションである
★★★☆☆
本書は2014年に発行された『究極の男磨き道 ナンパ』の続編。前書が著者がナンパに出会う前後数ヶ月間の葛藤と成長を描いた自伝風に仕上がっている一方、本書は著者が凄腕ナンパ師から手ほどきを受けたテクニックを紹介するマニュアル本という仕立てになっている。
著者の零時レイ氏は、慶應義塾大学大学院卒業後、フランスへ留学。帰国後28歳から5年間ひきこもりを経験し、人格崩壊の危機を感じていた2011年、33歳にして初めてナンパに出会うという異色の経歴。
さて、本書のタイトルのソリューションとは「解決策」である。これだけ見ると、ナンパを応用すれば人生の難局をすべて解決できるというようにも見えるが、ふざけ系・オラオラ系・ナルシスト系・誠実系など、ナンパ師のタイプ別に攻略法を羅列した内容になっているので、単なるナンパマニュアル本として読むのがよいと思われる。
なお、前書に引き続き、著者の経験をベースにしたストーリー形式となっているので、マニュアル本としてはやや物足りない印象となっており、帯に短し襷に長しなのがやや期待外れだった。
参考になった箇所をいくつか引用。
失敗は一時的なストレスだけど、成功はストレスが持続的にかかりつづける。成功するということは、その成功にふさわしくない自分=コンプレックスとがっつり向き合いつづけることになる。(PART2 オラオラ系ナンパより)
たしかに、美女をナンパした時、失敗すれば若干のメンタルダメージはあるものの、どこかでホッとしてしまう自分がいる。だから、美女に自分がふさわしいと思えるまで、外見を磨き、トークを洗練し、経験を積んでいかないといけない。
感情入った方が結果はシビアになりますよ。不器用だとこじれる。技術だけでやればひたすらサービス提供になります。感情を動かすのではなく、チェスやってるみたく頭でおもしろがれるかどうか。(PART3 ナルシスト系ナンパより)
ある凄腕ナンパ師曰く、女に対する復讐心とか意地悪な気持ちとか一切抜きで、技術として淡々と話すのがポイントなのだとか。恋愛は熱くなったら負けとよく言われますよね。
全体を通じて、実践的な内容になっていると思う。逆に言えば、抽象性が低い、ということだ。
恋愛工学のACSモデルを解説したゴッホ氏の『恋愛工学の教科書』のように、抽象性が高い汎用的なマニュアル本も存在する。
まったくのナンパ初心者であれば、そういったシンプルな理論解説本を一読してから、本書を読んだ方が混乱が生じないかもしれない。
とはいえ、30歳を過ぎてからナンパを始めようと思っている勇者にとっては、背中を大いに押してくれる本だと思う。
おしまい