今日は読書本をご紹介。
読書の技法
★★★★☆
最近、元外交官で作家の佐藤優氏の本にハマっている。氏はまさしく「知の巨人」と言える博学な人物だが、その知識の源泉の主となっているのは「本」である。本書はそんな氏の読書術について全力投球して書かれた読書のための本である。
内容は大きく、本を「どう」読むか(第Ⅰ部)、「何を」読むか(第Ⅱ部)、「いつ、どこで」読むか(第Ⅲ部)の3つに分かれている。第Ⅱ部はほぼ高校教科書と学習参考書の紹介で、第Ⅲ部も比較的月並みな内容だったので、特に約に立ったのは第Ⅰ部である。
参考になった部分を引用しておく。
第Ⅱ部で熱く語られるが、著者の読書術のベースは「基礎知識」であり、それは高校教科書レベルの知識とニアリーイコールなのである。本書の読者にはそのレベルの知識の「学び直し」を勧めている。
受験勉強で勉強した内容は、かなりの部分が記憶の蔵に蓄えられている。
あのとき勉強した知識も、仕事や人生の役に立てるために再活用するという意欲を持ち、正しい方法論、すなわちより高度な専門知識を身につけるために高校レベルの基礎知識が不可欠であるとの認識を持って、再度、教科書と受験参考書をひもとけば、その知識は確実に生きた知に転化する。
超速読術(1冊5分)というフォトリーディングに近いこともやっている。あくまで、読むに値する本かどうかの仕分け作業。
ビジネス書で強調箇所が太字やゴシック体で書かれている本は、ページ全体を見るには値せず、太字やゴシック体の文字だけを追っていけばよい。図表や資料はおのずと目に飛び込んでくるので、他と同様に扱う。
読書記録の付け方がとても参考になった。自分も今日から日記帳と読書ノートを一元化しました。
読書専用ノートや抜き書き専用ノートを作る必要は必ずしもない。いま使っている手帳やスケジュール帳、日記帳と兼用でもいい。
筆者自身、ノートは1冊に集約し、読んだ本の抜き書きやコメントに加えて、語学の練習問題の解答から仕事のスケジュール、簡単な日記(何を食べたか、誰と会ったか)まで、すべて時系列で記すようにしている。後で読み返せるようにできるだけ厚いノート1冊に、「記録」「学習」「仕事」のすべてを集約するのが、筆者にはいちばん効率的である。
高校時代苦手だった数学をいつか学び直すぞ、、と前々から思っていたが、有限な人生の中でやめておくことにした。
ビジネスパーソンの場合、テーマは仕事をするうえで、現在、もしくは将来必要となる事項がテーマとなる。教養のための外国語とか歴史というような、動機があいまいなままだらだら学習することは時間と機会費用の無駄なのでやめたほうがいい。
実は、読書術と言いながら、筆者の外交官時代の思い出話と読書感想文が7割。そしてその引用部分の解説がめちゃくちゃ難しい(笑)。残りの3割がビジネス書的に読書術を紹介しているという感じで、その部分のエッセンスはかなり参考になる。よって星4つが妥当かと。
ということで、この本も速読することをオススメします(笑)。常人(自分含む)が記述を全てを理解しようとするとかなり時間がかかるからだ。なぜなら、著者が何度も本書で言っているとおり、基礎知識がない分野の記述は理解ができないから。だから、読書感想文部分でよくわからない部分は思い切って飛ばし読みしないと挫折すると思う。
おしまい