私が長年ルート営業をやっていて、自分が仕事をしていていて疲れるポイントを漠然と考えてみた。
いくつかある中でも、一番疲れるのが「電話」である。
電話は一方的に相手の作業を止めて「暴力的に時間を奪うツール」ということを理解していない人が残念ながら多く、この電話が一日15本くらいかかってくるとかなり気力を消耗する。
今やっている作業が強制的に止まる上、その場で相手のあらゆる質問に反射的に答えたり、相手の質問や要求を適切にメモを取らないといけないというのがかなり疲れる。
メールであれば相手が文字で送ってくるので、後でゆっくり調べたり確認しながら対応することができるが、電話だとあらゆる知識・経験を総動員して瞬時に適切な回答を導かないといけない。
ただ、ルート営業は取引先の「御用聞き」の役割も大きいので、対応しないわけにもいかない。そこで、電話で気力を消耗することに対し、私が個人的に取っている予防策は以下3点。
●相手の携帯番号・LINEを聞いておく
●電話対応時間を織り込んでおく
●相手によって適切に出る・出ないを判断する
相手の携帯番号・LINEを聞いておく
まず、そもそも電話の本数を減らす直接的な対策である。
相手の名刺に携帯の番号があったらそちらを登録し、何か連絡する用がある時もしくは電話で照会を受けた時の回答時、こちらから電話ではなくショートメールを入れる。すると、以後ショートメールで連絡をくれる確率が上がる。地道な作業だが、「私のメインの連絡手段はメールである」ということを示すことが大切だ。
また、仲良くなったらLINEを聞いてしまおう。ショートメールよりも一段利便性が高まる。ショートメールであれば照会に対して文字を打ち込む必要があるが、LINEであれば画像を貼り付けておしまいということもある。
電話対応時間を織り込んでおく
次に大切なのが、電話対応時間を勤務時間に織り込んでおくことだ。
営業マンは1日の活動内容について自由に決められることが多いと思うが、ルート営業の場合、朝から晩までアポを入れるようなマネは絶対に避けた方がいい。必ず、電話対応用のバッファを数時間設けておくこと。
気持ちに余裕がなかったり、周りがうるさい環境で電話に出ると、うまくメモが取れなかったり、言い間違い・聞き間違いが発生するリスクが高まる。また、ぶっきらぼうに回答してしまって自己嫌悪に陥ったりもする。それが気力の消耗に直結するのだ。
相手によって適切に出る・出ないを判断する
最後はやや高等テクニックであるが、電話をかけてきた相手の重要度・友好度・過去の電話内容と電話がかかってきた状況を照らし合わせて、瞬間的に電話に出る・出ないを判断するのだ。一般的な言葉で言うと「優先順位付け」である。これができれば一人前である。
例えばA社のBさんから車の運転中にかかってきた時、
・重要度・・超親密な取引先
・友好度・・何度も飲みに行っている
・過去の電話内容・・簡単な質問が多い
ということであれば、車を停めて出ればいいし、
C社のDさんからの電話で、
・重要度・・小口の取引先
・友好度・・以前険悪になったことあり
・過去の電話内容・・時間をかけて調べないといけないことが多い
であれば、無理して出る必要はなく、時間に余裕のある時に折り返せばいい。
こうやって上手く優先順位を付けて対応することで、数字を落とすことなく、受けるストレスも軽減することができる。
私の仕事上の一番のストレスポイントが電話なのだが、今日は普段やっている対策を分解してみた。
おしまい