学生の頃、あれだけ貪り読んでいた本というものが、近年ほとんど読めなくなっている。とにかく仕事に忙殺されていて時間的な余裕がない。思う存分本が読みたい。
私淑している池上彰氏と佐藤優氏の共著である『僕らが毎日やっている最強の読み方』(2016年発刊だが、未だに「情報収集」をテーマにした方法論についての最高傑作だと思う)によると、情報源というものは5種類あり、それは新聞・雑誌・ネット・書籍・教科書(学習参考書)の5つである。
私の場合、前段の3つについては日常的にかなりの時間触れているのだが、書籍+教科書(学習参考書)についてはほとんど目を通すことができていない。
前段の3つは基本的に「今、世間で何が起きているか」ということにフォーカスが当てられていることが多いので、営業マンとしてビジネス上の共通言語を習得するために、必要に駆られて読んでいる感覚に近い。
一方、ある分野についての深い知見であったり、本質的な教養・一般常識などを得るために必要なのが、後段の書籍・教科書(学習参考書)の類である。明日、すぐさま仕事で使うこともないため、どうしても後回しになってしまう。
最近、ブックガイド・読書案内系の本(『天才読書』『読書大全』『戦略読書』)をパラパラと眺めていると、以前は自己啓発やビジネス系のジャンルにしか興味がなかったのだが、古典・SF・科学・ノンフィクション・小説など、あらゆるジャンルの本を読みたい衝動が強くなってきた。
ここ5~6年、あまり興味のない新聞記事・ネット記事にも積極的に目を通すようにしてきたことで、関心の対象が広がってきたのかもしれない。
ブックガイド・読書案内系の本は佐藤優氏・出口治明氏・成毛眞氏・故立花隆氏あたりも出版しているので、いつか読むことを楽しみにしている。
あと何十年後になるかわからないが、リタイアした後はこういう本に取り上げられるような名著を毎日毎日読み耽る幸せな老後にしたい。
その頃も、当然インフレにはなるとは思うが、今の物価でいうところの1500〜2000円くらいの感覚で買える時代が続いていてほしいものである。
そう考えると、長生きしないといけないなぁと思いつつ、老後まで待たずとも日々眺めている新聞などからも可能な限り派生する知識などをしっかり調べて、教養ある人間になっていきたいと改めて思った次第。
にしても、街を出歩いていると、そこまで知的好奇心に溢れた老人がほとんどいないように思う。
もう人生の残りが短くなるとどうでもよくなるのか、たまたま私が日常的に行く店(コンビニ・牛丼屋など)にはそういう老人が来ないのか、おそらく後者なのではないかと感じているが、私は知的な老人を目指して歳を重ねていきたいと思う。
おしまい