仕事も楽しめるのではないか、というのが最近私が立てた仮説である。
個人的な経験で恐縮だが、もう20年ほど前、受験勉強を始めた当初は、つまらないしプレッシャーはかかるしで苦痛以外の何物でもなかったが、ある時期から楽しくて仕方なくなった。
多くの人間にとってマイナスのイメージがあったであろう受験勉強をあそこまで楽しんでいたのはかなりレアな部類に入ると思う。
仕事も同じように、大半の人間にとってはイヤイヤやるもの・生活のために仕方なくやるものなのだろうが、これを受験勉強同様、楽しくて仕方ないものにするためにはどのようにしたらいいのだろう。
思うに、受験勉強の「楽しい」をさらに具体的な要素に分解すると、以下の3要素が含まれていたように思う。
①能動的であること(主体)
②内容が面白いこと(客体)
③成功体験が伴うこと(結果)
能動的であること(主体)
まず、学びの主体(=自分自身)が能動的であることだ。
要は、親や教師から無理やりやらされるのではなく、何らかの目的のために、自らの意思で学ぶことだ。
これは地名度の高い大学に行ってモテたいとか、どうしても東京に上京したいとか、良い研究ができる環境に身を置きたいとか、なんでもいい。とにかく自分の意思で勉強をするということが大切だ。
仕事に置き換えてみると、知名度の高い企業の一員としてドヤりたいとか、営業で実績を出して高収入を得たいとか、自社商品で社会にイノベーションを起こしたいとか、これまたなんでもいいので、目的をもって能動的に働くことが大事だ。
内容が面白いこと(客体)
続いて、学ぶ客体(=内容)が面白いこと・興味深いことも必須だろう。
昨日わからなかったものがわかる、知識が増えていく感じが快感なのである。
これは人によって興味が持てる教科にバラつきがあっただろう。私は英語・歴史がまさにそれだったが、最後まで理系科目は面白味が感じられなかった。
仕事に置き換えてみても、まずは自分が興味の持てる業界・企業で働くことがスタートラインだと思う。就活生に話す青臭いような話になるが、しっかり自己分析・自己対話を行い、本当に自分がやりたい仕事を就くことが仕事を楽しむために必須なのだ。
そして、昨日できなかったことや知らなかったことが、今日はできるようになったり、知ることができる。そうした積み重ねがある毎日が理想だ。
私は15年近くJTCで興味のない商材を扱いモチベーションの低い日々を過ごしたが、もう少し早く転職をすればよかったと思っている。
成功体験が伴うこと(結果)
そして、結果として成功体験を得ることも必須だと言える。どれだけ勉強する本人にやる気があり、内容に興味があるとしても、いつまで経っても問題が解けるようにならなければ絶対に楽しいと言えるようにはならないはずだ。
私の場合、受験勉強を通じ、ゲーム感覚でライバルに勝つこと・昨日の自分に勝つことが楽しくて仕方がなかった。面白いように模試の偏差値(全国順位)が上がっていったのである。
仕事に置き換えると、ビッグプロジェクトの受注とか、昇進して年収がどんどん上がったりすることだったり、定期的に目に見える成果が出ることがやはり重要と言えるだろう。
まとめ
大学受験時代、家族や友人がドン引きするほど勉強にのめり込んでいた私(秋以降は学校に行かず、自宅で毎日16時間くらい勉強していた)。結局半年弱の準備期間で最後はラクラク合格できる学力まで仕上げることができた(私立文系ですけどね)。
あの時くらい鬼気迫って仕事をしたら、当然結果も出ると思うのだ。
まあ、受験勉強は一人で完結でき、仕事は対人プレイの嵐という大きな差異はあるので、非常にその点は難しいだろう。
したがって、対人プレイも全て自分ごとに落とし込んで納得できるようになることが求められよう。要は、自責の精神である。
名経営者の伝記などを読むと、すべからく自責マインドで仕事を楽しんでいるので、今日私が書いたことはデタラメではないはずである(実行するハードルは激烈に高いだろうが)。
「受験勉強を楽しめた自分は、仕事も楽しめるはず」という壮大な仮説を実証すべく、動いていきたいと思う。
おしまい