
大昔に通っていた美容室の美容師が「30歳になったから俺は他人のために生きるんだ」みたいなことを言ってて、当時18歳くらいのガキながら、ふーんとエラく共感してしまったことがあった。
多分、その美容師本人はなんの気なく雑談の一貫で言ったのだろうが、その後何年経っても「俺も実践しよう」とその言葉が私の耳に残ることになった。
とにかく29歳までは他人のことなど一切考えず、自分勝手に振る舞いまくり、周りの人間を傷つけて生きてきたと思う(あまりにキレやすかったので、時に「ジャックナイフ」とか「狂犬」みたいなあだ名も付けられた)。
これも「30歳になったら俺は聖人になるんだ」と心に決めていたからである。
30歳の誕生日に「俺は今日から他人の悪口を言わない人格者になる」みたいなことを当時付き合ってた女に言って笑われたりしたのだが、さすがにたまに悪口は言うが、30になってからは一度も感情的になってキレたりしたことはないし、めちゃくちゃ急いでいる時とか、自分が不当に損をしたりする場合を除き、仕事・プライベート、知人・他人を問わず人助けというものを積極的にしているつもりである。
具体的な個人を助けるのもそうだし、もっと広く社会的・福祉的に意味があることをやるのもそうだ(ちなみにボランティアより募金派)。
で、また60歳になったら残りの余生はやりたい放題に戻ろうと思う。
最初の30年は自分勝手に生きて、中盤の30年は利他の精神で生き、そして後半の3~40年は再び自分勝手に生きて死ぬ。
こう考えると、70年間は自分勝手に生きれるし、心身ともに充実しているコアな中間期間くらいは本気で他人のために生きるのも悪くないと思うのだ。
見返りを求めず人助けすることは気持ちがいい。ただ、あまり時間をかける余裕はないので、募金や寄付などの金銭的援助、もしくは短時間でできる人助け(街で困っている人を助ける、若手・後輩への仕事・プライベート上の助言など)をメインでやっていきたい。
おしまい