今日は久々に、NewsPicksで取り上げられていた記事を紹介してみる。
"マーケ志望でも「営業」配属から。ネスレが“ジョブ型採用”しない理由"
というタイトルの記事で、売上高世界最大の食品メーカーであるネスレ社の日本法人が、マーケティング職を希望する新卒採用者であっても、なぜまずは営業職に配属するのかについて語られている。
有料記事なので敢えて全文読む必要はないが、冒頭の無料部分だけでも十分趣旨は理解することができる。
要は、現場で自社の商品やサービスを売って儲ける仕組みを理解していないと、決して市場分析や販売促進なんてできないだろうと。
配属ガチャ失敗&早期退職を防ぐため、なんとなくジョブ型にしないといけない昨今の風潮の中、これは大いに賛成だ。
なんなら営業をやればマーケティングの基礎だって学べる。
最初のうちは、研修で習った資料と話法のとおりやってみるが、当然失敗する。他人に押し付けられた万人が無難に使える平均的なやり方なんて通用するはずがないのだ。
何回かやって試行錯誤していくうちに、自分にあった話し方にカスタマイズしつつ、顧客の属性や商談時の反応に応じて、打ち返せるようになってくる。
これだってれっきとしたマーケティングではなかろうか。
というか、優秀なマーケティング人材は転職市場に山ほどいるので、わざわざ世間を知らない新卒をそこにあてがう必要がないと思う(笑)
マーケティングに限らず、人事部門だって収益の根幹を担う営業マンの実態を知っていないの適切な評価・配置はできないだろうし、カスタマーサービス部門だって新規開拓でなく、中身がアフターサービスや苦情というだけで顧客と向き合うという本質は同じだ。
強いて言うなら、高度な専門性が求められる法務・経理財務あたりは営業経験がなくてもよいのかもしれないが、逆に営業をやったことがあるのなら強い武器になるに違いない。
まずは若いうちに営業をやってから、企画(クリエイティブ)系・事務系あたりをキャリアローテーションしてみるといい。順番は最初が営業であることは必須ではないと思うが、可能な限り若いうちにやっておくといい。失敗を恐れずにノリで乗り切ったり、若さでミスが許されたらすることも多いからだ。
そして、自分が向いていること・やりたいことを30歳くらいまでに判断するというのが望ましい形だと思う。
ということで、新卒でJTCに入り、手厚い研修で社会人の基礎を身につけつつ、数回のキャリアローテーションで自己を知り、転職でジョブ型採用という私の思想にピッタリ合いそうなので、このネスレ社は非常に良い取り組みをしている企業だなと思った次第である。
おしまい