成功本まとめシリーズ。
著者
アービンジャー・インスティチュート
世界25カ国に支部を持ち、世界のリーディング企業や個人に対してトレーニングやコンサルティング、コーチングなどを提供している国際研究機関。
要約
主人公は、コネチカットにあるザグラムという会社に転職して一か月が経ったある日、上級管理職を対象とする同社独自の研修を受けることになる。その研修の内容は、専務副社長であるバドとの丸一日をかけた一対一のミーティングである。そのミーティングにはザグラム社の成功の秘密が隠されていた。
「どうして彼は問題ばかり起こすのか?」「なぜパートナーは勝手なことばかり言いだすのか?」
こうした問題を、私たちは「相手の問題」と考えがちだが、本当の問題は「自分」にある。それこそが、本書のいう「箱に入っている状態」である。
読み進めるうちに、家庭や職場での人間関係を深め、十分な成果を出す環境を作る方法を学べる世界的ベストセラー。
ポイント
1.「箱」とは
「箱」とはズバリ「自己欺瞞」のことであり、様々な人間関係の問題を引き起こす。
自分のことしか考えない人は「箱の中」に入っている状態で、自分自身に問題があることが見えなくなっている。
そして「箱の中に入る」ことは、リーダーシップやモチベーション、組織内の問題などの根本的な原因となる。
2.なぜ「箱」に入ってしまうのか
自分への裏切りによって人は箱の中に入っていく。具体的には、「他人のために何かすべきだ」と思った自分自身を裏切ると、その裏切りを正当化するために、現実を歪めて見るようになる。
例えば、赤ん坊が泣いている時に自分が子供をあやせば妻は眠っていられるとわかっていながらも、自分の感情を裏切り、寝たふりをするような場面だ。この瞬間、妻を「怠け者」と思い始め、自分を「被害者」と考えたり、歪んだ目で現実を見る。
3.「箱」から出る方法
「箱の外」を考えることが「箱」から出る一歩である。相手を責めたり恨んだりするのではなく、相手に関心を持つ。するとその瞬間から外に出ることができる。自分が相手に対して抱く感情は、自分が相手に対して「箱の中」にいるか「外」にいるかで決まる。
タイトルだけ見ると「自分の殻を破れ」的な内容に見えるが、職場や家庭の人間関係の回復に効果を与えてくれる一冊。
ビジネス書は、全文を一度読むより、たった一つのポイントでも毎日読み返して自分の血肉にすることが大事。響いた点があればあなたの読書メモにも蓄積を。
おしまい