一匹狼の回顧録

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【成功へのメモ】『アイデアの作り方』

成功本まとめシリーズ。

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

著者

ジェームス W.ヤング
1886年-1973年。アメリカ最大の広告代理店・トムプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業協会の会長などを歴任。広告審議会(AC)の設立者で元チェアマン。

要約

多くのビジネスマンにとって、アイデアは重要である。しかし、上司やクライアントから「アイデアを出せ」と言われて困った経験は誰しもあるのではないだろうか。

イデアとは天から降ってくる閃きではなく、体系的に生み出せるものである——そんな視点を与えてくれるのが、本書『アイデアのつくり方』である。わずか60ページほどの薄い本だが、そこに詰まった内容は深く、時代を超えて多くの人々に影響を与え続けている。

帯のキャッチコピーは"60分で読めるけれど一生あなたを離さない本"。アイデアをどうやって手に入れるかという質問への解答が本書にある。

ポイント

1.アイデアは「既存の要素の新しい組み合わせ」

著者、アイデアとは完全に新しいものではなく、「既存の要素の新しい組み合わせ」であると述べる。そして、この組み合わせの仕方が創造性の鍵を握ると指摘している。つまり、天才的な閃きが求められるわけではなく、適切なプロセスを踏めば誰でもアイデアを生み出せるということでもある。

 

2.アイデアを生み出す5つのステップ

イデアを生み出す過程を以下の5つのステップに整理される。


①資料収集
イデアの元となる情報を集める段階で、「一般的な知識」と「専門的な知識」の両方が必要である。アイデアはこの2つの新しい組み合わせから生まれる。


②情報の咀嚼
集めた情報をよく理解し、関連性を見出す。部分的なアイデアを思いついたら、書き留め、脳が疲れるまで考え抜く。


③孵化
一旦問題から離れ意識を他に移す。リラックスすることで無意識のうちに情報が整理される。散歩や趣味の時間などに使ってよい。


④アイデアの誕生
ある時ふと、アイデアが浮かぶ。これが「閃き」の瞬間であり、前段階のプロセスがあってこそ生じる。


⑤アイデアの具体化と検証
実際にアイデアを試し、改良を加えて現実的なものに仕上げていく。

 

3.本書の魅力

本書の魅力は、シンプルさと普遍性にあると言える。

特に、多くの人が共感できるのが「孵化」のプロセスではないだろうか。何か新しいアイデアを出そうと必死になるほど、なかなか出てこない経験は誰しもあるだろう。しかし、本書が示すように、一度意識的な思考から離れ、リラックスすることで脳が自然と整理を行い、新しい発想を生み出されていく。

私自身、散歩中や入浴中、電車での移動中などにアイデアが浮かぶことがよくあるが、まさにこの理論を裏付けるものだと感じた。

本書は、アイデア創出のプロセスを体系的に学びたいすべての人に役立つ一冊である。薄い本なので1時間もあれば読めるが、その内容は一生モノの知識になるはずだ。

ぜひ、あなたもこの名著を手に取って、日々のアイデア発想に役立ててみてほしい。

 

ビジネス書は、全文を一度読むより、たった一つのポイントでも毎日読み返して自分の血肉にすることが大事。響いた点があればあなたの読書メモにも蓄積を。

 

おしまい