一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

マネジメントとは「裁量」である

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「マネジメント」とは何か。この問いに対する答えは多くの書籍や講演で語られているが、実際に自分がそういった立場に立ってみて初めて、その本質に気づくことが多い。

かつての私は、イチ営業マンとしてのキャリアを生涯貫くつもりであった。営業の仕事は好きだったし、成果を出せば外回りでサボったりすることも容易だったからだ。何より、自分のスキルが積み上がり磨かれていく実感があった。しかし、現職で段々とマネジメントに近いポジションに近づきつつある。

「部下の管理が面倒」「自分のプレイヤーとしての時間が奪われる」「数字の責任を負わされるのがストレス」と、ネガティブなイメージばかりが先行していたが、実際に経験してみると、思いのほか楽しいと感じるようになった。

 

裁量がある仕事は、長時間労働でも疲れない

その理由は、「裁量」にあった。

業務量は確かに増える。プレイヤーとしての仕事に加え、チームの管理や育成、上層部への報告など、やるべきことは山積みだ。しかし、不思議なことに、長時間労働をしても以前ほど疲れを感じなくなった。それどころか、充実感すらある。

前職の営業マン時代、特に若手の頃は、与えられた目標に向かって必死に動くしかなかった。「このエリアを回れ」「この商品を売れ」「今月中に達成しろ」と言われるままに、朝から晩まで動き回る日々だった。やりがいはあったが、時には「なぜこの戦略なのか」「もっと効率的な方法があるのでは」と疑問を抱くこともあった。しかし、その判断は自分の裁量ではできず、決められたルールに従うしかなかった。

一方、マネジメントの立場になると、仕事の進め方を自分で決めることができる。「今期はどの市場に注力するか」「どのメンバーにどの案件を任せるか」「どのタイミングで仕掛けるか」といった5W1Hを自分で考え、実行できる。この自由度の高さが、仕事を楽しくしていることに気がついた。

 

自分で決められることの楽しさ

裁量がある仕事の魅力は、「自分の判断がそのまま結果に直結する」という点にある。もちろん責任も伴うが、それがあるからこそ、うまくいったときの達成感も大きい。

例えば、あるプロジェクトで、通常なら正社員に任せるべき案件を、意欲の高い派遣社員に担当させたことがあった。リスクはあったが、彼女のポテンシャルを見込んでの判断だった。結果として、予想以上の成果を出し、チーム全体の雰囲気も良くなった。このように、自分の裁量で決めたことが成功につながると、「やってよかった」と心から思える。

また、業務の優先順位を決めるのも自分次第である。営業時代は、上からの指示に従うしかなかったが、管理職になれば「今やるべきこと」「後回しにできること」を取捨選択できる。この選択権があるだけで、仕事のストレスは大きく軽減される。

 

マネジメントは「人を動かすゲーム」

マネジメントのもう一つの醍醐味は、「人を動かす」ことにある。営業は基本的に個人のスキルで成果を上げる仕事だが、マネジメントはチームの力を最大化する仕事である。個々のメンバーの強みやモチベーションを見極め、適材適所に配置し、適切な指示を出す。その結果、チームが一丸となり、大きな成果を上げることができる。

この「人を動かす」感覚が、言い方は悪いかもしれないがゲームのようで面白い。単なる指示出しではなく、どうすればメンバーが自発的に動くのか・気持ちよく動けるのかを考える。時には背中を押し、時には寄り添い、時には厳しく接する。このバランスを取るのが難しくもあり、やりがいでもある。

 

プレイヤーからマネージャーへ——意外と楽しい

営業一筋で生きていくつもりだった私が、マネジメントの世界に足を踏み入れ、大変意外にも楽しさを感じている。最初は「自分には向いていない」と思っていたが、実際にやってみると、裁量がある仕事の魅力に気づき、今ではプレイヤー時代以上に充実感を持って働いている。

もし今、プレイヤーとしての仕事に限界を感じている人がいるなら、一度マネジメントの道を考えてみるのもいいかもしれない。裁量が増えることで、仕事の楽しさが広がる可能性があるからだ。そういう意味では、マネジメントとは、「管理」ではなく「自由を手に入れること」なのかもしれない。

 

おしまい