一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

【成功へのメモ】『神さまとのおしゃべり』

成功本まとめシリーズ。

神さまとのおしゃべり -あなたの常識は、誰かの非常識-

神さまとのおしゃべり

著者

さとうみつろう

作家・ブロガー・ミュージシャンとしても活動する人物であり、独自の視点と軽妙な語り口で多くの読者を惹きつけている。本書『神さまとのおしゃべり』は彼の代表作であり、自己啓発書として異例のロングセラーを記録した。

彼のブログやSNSでは、読者とのコミュニケーションを重視し、ユーモラスかつ鋭い視点で人生観を語っている。著書もその延長にあり、スピリチュアルを単なる「信じるもの」ではなく、「思考の実験」として楽しませてくれるのが魅力である。

要約

本書『神さまとのおしゃべり』は、一人の青年が「神さま」と対話をすることで人生の仕組みを理解していく物語形式の自己啓発書である。主人公は、ごく普通の会社員。ある日、神さまと名乗る存在が現れ、人生の不満をぶつける彼に対してこの世界のルールを教え始める。

神さまの主張は、シンプルだが深いものばかりだ。

• この世界は思った通りにできている
• 幸せは「手に入れるもの」ではなく「気づくもの」
• 不満や悩みはすべて自分が作り出している

 

主人公は最初、その考え方を受け入れられず、神さまの話に反論する。しかし、神さまは理詰めで彼の反論を覆し、次第に主人公は「自分の思考が現実を作っている」ことに気づいていく。

物語の中盤からは、神さまが提案する「思考実験」が始まり、少しずつ人生のルールを理解し、視点を変えることで現実が変わることを体験していく。そして、最後には「すべては自分次第だった」と気づき、人生をより自由に楽しめるようになる。

ポイント

① 目の前の現実はすべて自分が望んだものである

本書では、「今、目の前にある現実はすべて自分が望んだものである」と説いている。

例えば、「仕事が忙しくて辛い」と嘆く人がいるが、その人自身が「忙しくなければ稼げない」「仕事は大変なものだ」という信念を持っている可能性が高いのだ。

結果として、その信念通りの現実が目の前に展開されている。同様に、「お金がない」と感じる人は、実は「お金を手に入れるのは難しい」「お金持ちは悪いことをしている」といった無意識の思い込みを抱えていることが多い。

この視点を受け入れると、現実を変えたければ、自分の内側の思考や信念を変えることが重要だと気づく。「本当にこの状況を望んでいるのか?」と問いかけ、もし望んでいないなら、自分の考え方や意識を変えることで、現実も変わっていくというのが本書の主張である。

この考え方は厳しく感じるかもしれないが、裏を返せば「自分が現実を創っているのだから、変えようと思えば変えられる」という希望でもある。環境や他人のせいにするのではなく、「自分の思考の結果が現実になっている」と捉えることで、より主体的に人生を切り開くことができるのだ。

 

② 人間は否定語を想像できない

本書では、「人間は否定語を想像できない」という興味深い心理の仕組みについて触れている。これは、「◯◯しないように」と考えたとしても、脳は否定語を理解できず、そのまま肯定のイメージとして受け取ってしまうというものだ。

例えば、「ピンクのゾウを想像しないでください」と言われた瞬間、多くの人はピンクのゾウを思い浮かべてしまう。同様に、「失敗しないようにしよう」と考えると、脳は「失敗」という言葉にフォーカスしてしまい、結果としてその方向に引っ張られる可能性が高くなる。

この特性を逆手に取り、ネガティブな言葉を使わずにポジティブな表現に言い換えることが重要だ。例えば、「遅刻しないようにしよう」ではなく「時間通りに到着しよう」、「ミスをしないようにしよう」ではなく「慎重に作業しよう」と言い換えることで、脳は望ましいイメージに焦点を当て、より良い結果を引き寄せやすくなる。

本書では、この「否定語を使わない思考法」を実践することで、無意識にネガティブな現実を創り出してしまうことを防ぎ、ポジティブな行動を引き出せると説いている。

 

③ 「死」についてあれこれ考えるより「体験」を大切にせよ

本書では、「死」について深く考えすぎることに意味はなく、それよりも「今、この瞬間の体験」を大切にすべきだと説いている。

死んだ後の世界がどうなっているかを考えても、それは実際に体験してみないと分からない。例えば、「死後の世界はあるのか?」「生まれ変わりはあるのか?」といった問いに、人は何世紀にもわたって答えを求めてきたが、それを知る方法は「死ぬこと」しかない。つまり、どれだけ考えても結論は出ず、それよりも「生きている今、何をするか」が重要なのだ。

また、死後の世界を気にする人は多いが、それよりも「生きている今を楽しめているか」のほうが大事だと指摘。極端な話、もし死後の世界があるにせよ、ないにせよ、結局は「今、自分がどう生きるか」にすべてがかかっているのだから、無駄に悩まず、やりたいことをやり、思い切り体験を積み重ねることが大切なのだ。

この考え方は、漠然とした不安にとらわれやすい人にとって、非常に有益な気づきをもたらすだろう。考えすぎることをやめ、まずは目の前の現実を生きることに集中することで、人生の充実度は大きく変わるはずだ。

 

ビジネス書は、全文を一度読むより、たった一つのポイントでも毎日読み返して自分の血肉にすることが大事。響いた点があればあなたの読書メモにも蓄積を。

 

おしまい