一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

ビジネスフレームワークを英単語感覚で学ぶということ

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最近、自分でも気味が悪くなるほど、ビジネスフレームワーク系の本を読み漁っている。MECE、ロジックツリー、SWOT、STP、4P、3C、バリューチェーン……こうして羅列すると、まるで呪文のようであるが、どれも一度はビジネス書の片隅に登場するお馴染みのフレーズたちである。目的は単純で、「思考の型」を体に染み込ませるためだ。

自分はBtoBのコンサルティング営業の仕事をしている。顧客企業の課題をヒアリングし、提案内容を練り上げ、社内の各所と連携しながらプロジェクトを進める。

当然のことながら、意思決定や問題解決の場面は多い。そして、関わる上司や同僚も一筋縄ではいかぬ曲者ばかりで、彼らを納得させるには大いに「論理性」が求められる。

その意味で、フレームワークというのは、自分の思考を整理し、説得力を高める上で実に頼もしい相棒になるうる。

 

英単語のように、まずは「型」を丸暗記する

フレームワークを覚えていく過程で、ふと大学受験時代のことを思い出した。自分がまず取り組んだのは、ひたすらの単語暗記だった。

システム英単語』や『DUO』をボロボロになるまで繰り返し、自分に課した1日のノルマを黙々とこなした。最初は意味も用法も分からず、苦痛ではあったが、ただ「これはこういうものだ」と丸暗記した。

それでも成績は上がった。語彙が増えると、文章の理解度も比例して上がっていった。後年に、これがあのホリエモンも全く同じような方法で勉強をしていたことがわかった。

 

この経験が、今になってフレームワーク学習と重なっている。「フレームワーク=英単語」という感覚だ。意味や背景の理解が難しくとも、まずはを覚える。見たことのある型が増えれば、現場での応用力も自然と高まる。そう信じて、今はひたすらインプットに励んでいる。

 

Kindleも書店も駆使して、フレームワークを浴びる

とはいえ、一冊や二冊の本では到底情報が足りない。世に出回っているフレームワークは数百を超えると言われる。Kindleでビジネス書を片っ端からダウンロードし、紙でしか出ていない古い名著は書店に買いに走る。絶版になっているものは、ネットで中古品を漁る。気がつけば、部屋の一角はちょっとしたコンサル養成コーナーと化している(笑)

このように「型」を覚えることに集中していると、決まって聞こえてくる声がある。「フレームワークに頼ると、思考停止になる」「現場のリアルを無視した机上の空論だ」と。なるほど、一理ある。フレームワークを振りかざすことが目的化すれば、本末転倒である。だが、それは包丁を危険だと責めるようなものだ。使い方を誤らなければ、これほど便利な道具もない。

 

巨人の肩に乗ることは、賢明な戦略の一つ

ましてや、まだ「型」を体得していない初学者にとって、フレームワークは強力なガイドになる。考えるための足場であり、迷ったときに戻る地図だ。ならば迷わず使えばいい。アドリブは、基礎を固めた者にのみ許される贅沢である。

「巨人の肩の上に乗る」という表現がある。自分が遠くを見渡せるのは、先人たちの知恵や努力があってこそ、という意味である。ビジネスフレームワークとは、まさにその「肩」のようなものだ。優れた人たちが時間と労力を費やして磨き上げてきた思考の型を、無料同然で拝借できるのだから、これを使わぬ手はない。

 

フレームワーク思考が、日々の仕事に効いてきている

現に、自分がフレームワーク思考を取り入れるようになってから、社内会議での口頭承認やプレゼン資料の通りがよくなった。以前は「なんとなく」で進めていた提案も、今では「ロジック」と「構造」で語れるようになった。STPを使ってターゲティングを整理し、4Pで打ち手を構成する。3Cで外部環境を捉え、ロジックツリーで課題を分解する。こんな当たり前のことを、ようやく実感を伴って使いこなせるようになってきたのだ。

 

結局、型を持たない者に自由はない

もちろん、これはゴールではない。フレームワークはあくまで「道具」にすぎず、最終的に必要なのは現場の知恵と感性だ。だが、道具を持たぬ職人など存在しない。まずは徹底的に型を覚える。そして、それを自分の血肉にする。英単語のように、瞬時に引き出せる状態にしておく。使いこなすのは、その後でいい。

この地道な暗記と反復の先に、ようやく自分の「思考のスタイル」が立ち上がってくる。そう信じて、今日もまた一冊、古びたフレームワーク本に手を伸ばしている。

ビジュアル ビジネス・フレームワーク[第2版] (日経文庫) ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70

 

おしまい