
会社とは、理不尽な人間関係の集積所である。
昭和の遺産のような古臭い価値観に縛られた上司、やたら威圧的な物言い、他人の時間を奪うことに何の疑問も抱かない会議中毒……。
私の職場にも、残念ながらウザいと思わざるを得ない上司がいる。口を開けば説教、話は回りくどく、空気を読まない指示で現場を振り回すタイプだ。
だが幸運なことに、私は現在フリーアドレスのオフィスで仕事をしており、その上司と物理的に席が離れている。加えて、1日の中でその人物と顔を合わせる時間は、長くてせいぜい30分〜1時間程度に過ぎない。
ふと、ある日思った。
「……これって、むしろ恵まれているのでは?」
そう気づいてから、私の思考は大きく変わった。
本記事では、ウザい上司を完全に気にしないためのマインドセットについて、徒然なるままに綴っていく。
何も我慢などする必要はない。感情を殺すこともない。要は、捉え方を変えればいいだけの話だ。
上司=天気である。文句を言っても晴れはしない
まず大前提として、「ウザい上司に文句を言ったところで、世界は1ミリも変わらない」という事実を受け入れねばならない。
たとえば今日が雨だったとしよう。
「また雨かよ、マジで最悪」などと嘆いたところで、雨は止まない。
同様に、上司が今日も意味のない説教を垂れたとしても、「ほんとアイツ鬱陶しいわ」と毒づいたところで、明日からその人間性が変わるわけではない。
天気と同じである。
ならば、いっそのこと「天気」として扱えばよい。
「ああ、今日は低気圧(=上司が機嫌悪い)なんだな」とでも思っておけば、精神は摩耗しない。いちいち腹を立てる方が、人生の時間の無駄である。
ウザい上司は「村人B」だと割り切れ
もう一つ有効な考え方がある。
それは、「上司は自分の人生にとってのモブキャラである」と割り切ることだ。
自分という人生ゲームの主人公が、たまたま今いる職場という村に立ち寄っているだけ。そこにいるのが、**やたら話しかけてくる鬱陶しい『村人B』**なのである。
ゲームの中で「村人Bがうるさいからやめる」なんて選択をするプレイヤーはいない。
どうせセリフは一種類しかないのだ。聞き流して、必要なアイテムだけもらって、次の町へ行けばいい。
「村人のセリフにいちいちイラついて、十数時間を浪費した」などというプレイログは、誰が見たって滑稽である。
現実でも、同じことが言える。
観察者モードになると世界が変わる
「感情が揺れるのは、相手に期待しているからである」
という禅の言葉がある。
これは非常に本質を突いている。
我々が上司に腹を立てるのは、「こうあるべき」「もっとマシな対応をしてほしい」と、無意識のうちに期待してしまっているからだ。
ならば、その期待をゼロにしてしまえばいい。
もっと言えば、「観察者」になればいい。
たとえば、「今日はどんなウザポイントを繰り出してくるのか?」と実況中継モードに切り替えるのだ。
「お、来た来た。説教パート突入。……はい、声がデカい。はい、話が長い。内容が薄い! いただきましたー」みたいに、内心でツッコミを入れながら聞く。
もはやこれは娯楽である。
バラエティ番組のような感覚で接すれば、イライラは笑いに変わる。
「反応しない」という選択肢が生まれた時、人は強くなる。
会社=禅寺である
少し脱線するが、私は最近、こう考えるようになった。
**会社とは、現代における「修行の場」**なのではないか、と。
出家もせず、托鉢もせず、酒も肉も断たずに、月20日以上、人間関係の試練を受けられる場。しかも給料まで発生する。これはもう、現代の僧堂である。
だから、ウザい上司がいるのは、むしろ当然なのだ。
修行の場に、甘やかしてくれる存在などいらない。
師僧が厳しく怒鳴ってくるのも、理不尽な問いを投げかけてくるのも、すべては己の「無駄な反応」を削ぎ落とすためである。
つまり、ウザい上司とは、あなたを覚醒に導く導師かもしれないのだ。
これはもはや、感謝してもいいレベルである。
接触時間が短いなら、気にする価値すらない
冒頭の話に戻る。
1日のうち、上司と顔を合わせるのは30分〜1時間。
それ以外の時間は物理的に離れており、直接干渉されることもない。
これほど恵まれた環境は、なかなかない。
昭和のように、隣の席に年中張り付かれ、昼食にまで付き合わされ、毎晩飲みに連れて行かれる時代ではない。
物理的な距離があるだけで、精神はかなり解放される。これは事実である。
「この程度の接触で済んでいるのは、自分の精神を鍛えるちょうど良い負荷なのだ」と思っておけばよい。
実際、ストレス耐性は筋トレと同じで、適度な負荷があるからこそ強くなれる。
まとめ:スルースキルは人生の武器
最後にまとめる。
ウザい上司は天気のようなもの。変えられないなら受け流せ。
村人Bとして見ると、期待も怒りも消える。
感情を捨てて観察モードに入れば、ストレスは娯楽に変わる。
会社は禅寺であり、ウザさは修行の一部。
接触が少ないなら、気にするだけ損。
どうしても精神的に追い詰められるようであれば、『反応しない練習』や『嫌われる勇気』のような本を手に取るのもいい。
ただ、あなたが本当に身につけるべきは、**「動じない自分」**である。
ウザい上司など、人生における通過点に過ぎない。
スルーできる力こそが、現代の最強スキルである。
おしまい