一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

何もない日と、セッ○スできる夜の話

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今日は、特段一日何も起きなかった。

朝はいつも通りに起き、職場でも特筆すべきトラブルはなく、夜は静かに帰宅。あとは寝るだけ。こんなふうに全く何もない日は、案外珍しいかもしれない。

 

けれど、不思議なことに、その“何もなさ”が心地よかった。今日という日は、うまくいったわけでも、何かを成し遂げたわけでもない。

 

それでも、

「こんな日がずっと続けばいい」

ふと、そんなことをしみじみと思ったのである。

 

眠くなるままに眠れることの、幸福

若い頃の自分は、よく眠れなかった。

布団に入ってからも、あれこれ思考が回って、気づけば明け方になっているような夜もあった。仕事のこと、将来のこと、人間関係のこと、女のこと。

 

だが最近、何でもない日ほど、よく眠れる。

むしろ、そんな何でもない日にこそ、深く眠れるのである。

 

食事をし、シャワーを浴び、布団に入って、眠くなるままに目を閉じる。

そのまま、何も気にせずに朝を迎える。

これがどれほど贅沢なことか、おっさんになってようやく気づいたのかもしれない。

 

好きな女と過ごす夜

そんな何もない日々の中に、ときおり現れる“特別な夜”がある。

 

彼女とは、マッチングアプリで1年半前に知り合った。

関係性としては依然として曖昧で、恋人ではない。でも友達というには、深い。いわゆる「既存さん」である。

 

しかし、これまでの既存さんの中でも彼女は格別だ。

彼女は、私の好きな“ガリガリ体型”で、話していても変に気を遣わなくて済む。

そして、何より、金銭感覚が合っている。

大衆居酒屋で一緒に笑いながら飲んで、安いつまみをシェアしながら、「高い料理ってコスパ悪くね?」なんて話をする時間が妙に心地よい。

 

酔いが回ったころ、お互いの家のどちらかへ移動して二次会。

缶チューハイをもう何本か開けて、テレビをつけたままソファに座る。

会話が途切れたあとにお互い黙々とスマホをいじる、あの無言の時間も嫌いじゃない。

 

そして、自然な流れでセッ○スをする。

 

翌朝になればまた何事もなかったかのように別れて、また隔週のどこかで会う。

互いに干渉しない関係。本当に恵まれていると思う。

 

毎日に感謝するという、生き方

当たり前に仕事をし、当たり前にメシが食えて、当たり前に寝られる。

それがどれほどありがたいことか、我々はちゃんと意識した方がよい。

 

とはいえ、感謝の気持ちは放っておけばすぐに薄れてしまう。

だからこそ、いくつかの“習慣”で、それを毎日きちんと呼び戻すようにしている。

 

たとえば、朝一番に手帳を開いて、自分で書いたミッションステートメントを確認すること。

「自分はどう生きたいのか」を、毎日ほんの数行だけでも思い出す。そうすることで、日常の細々としたことにも方向性が出てくる。

 

夜には日記をつける。

今日はどんな一日だったか、何を感じたか。誰と何を話し、どんなことに腹を立て、嬉しかったのか。たとえ5分でもペンを動かすことで、「今日という日」をちゃんと手放せるようになる。

 

そして一番大事にしているのは、どれほど疲れていても、タバタ式トレーニングを最低1セットやる。

わずか4分で心拍数を上げ、自分の体に「まだやれる」と言い聞かせる。

 

この三つ――

「ミッションステートメントで始まり、日記で終わり、タバタで自分を締める」

 

そして、そういう当たり前に、誰かと交わえる夜が加われば、もう十分すぎるほどだ。

一年365日、すべてが記憶に残るようなドラマチックな日になる必要はない。

でも、毎日に感謝できる人間でいられたら、その365日はすべて“幸せな日”になる。

10年で3,650日。

それが全部幸せだったら、それはもうどう考えても“勝ち”である。

金や名声より、そっちの方がよほど誇らしい人生だと思う。

 

しっぽりと終える、人生の一日

「毎日に感謝する」とか、「当たり前を幸せと思う」とか、少し宗教っぽい、あるいはスピリチュアル的に聞こえたかもしれない。でも、そうではない。

 

私が言いたいのは、もっと地に足のついた話である。

これは“心の持ちよう”とか“気の持ち方”の問題ではない。

むしろ、“幸福感を最大化するための、ごく実用的なライフハック”なのだ。

 

何か特別なことが起こらなくても、今あるものを肯定できるほうが、人生ははるかにラクだし、長い目で見て得をする。

いちいち不満を探すより、ささやかな満足を拾うほうが、確実にコスパがいい。

 

美味い酒と、落ち着ける相手と、ぐっすり眠れる夜。

それがそろえば、人間は案外、何の問題もなく生きていけるのだと思う。

 

おしまい