私は毎朝、朝のシャワーと身だしなみの時間に、audiobook.jpで『聴く日経』とVoicyで佐々木俊尚氏のラジオを聴いている。
先日、その佐々木氏のVoicyで「タイパより大事なのはカイロス(主観的時間)の伸びだ」という面白いテーマの回があった。とても共感したので、簡単に紹介しておきたい。
まず、ほとんどの人が「カイロス」という言葉を知らないのではないだろうか。
時間には「クロノス」「カイロス」という概念があり、
クロノス(Chronos)=客観的な時間・量としての時間
例:1日24時間、1時間60分といった物理的・定量的な時間
→誰にとっても同じように流れる「共通の時間」
カイロス(Kairos)=主観的な時間・質としての時間
例:数分しかなかったのにすごく印象深かった会話、集中していて時間を忘れた経験
→人によって感じ方が異なる「濃さ」や「価値のある時間」
そして、なるほどと思ったのが、
- 単調な毎日だと、その瞬間その瞬間の時間は長く感じるが、ハッと振り返るといつの間にか矢のように時間が経っている
- 予定が詰まっていて、刺激的な毎日だと、目の前は目まぐるしく過ぎるが、後で振り返ると意外と時間が経過するのが遅い
という佐々木氏の指摘である。
この話、ご自身の経験から、なんとなくわかっていただける人も多いのではないか?
佐々木氏は少年時代の夏休みを例に挙げているが、私の場合、大学時代の後半はひたすら引きこもって読書するというリア充の対極をいく生活をしていたのだが、振り返れば時間があっという間に過ぎ去っていった感覚だ。
一方、社会人になってからの数年間は、仕事がとにかく激務だったうえに平日・休日ともに合コンや旅行の予定を入れまくっていたが、なぜか今思うと、体感時間が長かった気がする。
このヒントになるのが「カイロス」という概念である。
誰にも平等で客観的なクロノスに比べ、カイロス(=体感時間)は伸び縮みする。インプット・学びを増やして濃密な時間を過ごしていると、カイロスが伸びるということだ。
この対極にあるのが、今流行りのダイパで、現代人は効率を追求し、いかに短時間で多くの情報を得るか、いかに多くのタスクをこなすかに注力しているが、こうした表面的な情報収集や作業だと、物事の本質を深く理解したり、じっくりと味わったりする時間が失われるため、結果として、カイロスが縮み、あっという間に時が過ぎ去るというのだ。
したがって、ただ忙しいだけでなく、毎日の中に、意義ある活動や学びの時間を意識的に取り入れ、新しいインプット(読書、出会い、旅など)を積極的に増やすことで、主観的時間を伸ばしていくことを意識したいものだ。
せっかくの人生だから、「もう10年」ではなく、「まだ10年」という時間の過ごし方をこの先したいと思う。
おしまい