ふと気づくと、パソコンの前でぼんやりしていることがある。特に、夕方以降にそんな時間が訪れがちだ。
資料を開いてはいるし、何かを打ってはいる。でも、集中力がどこかに行ってしまっている。
そんな時のために、私は最近、「階段を駆け上がる」という習慣を取り入れた。
やってみると、思った以上に効果がある。ほんの数十秒で、頭がスッと冴えてくるのだ。
階段を駆けるだけで、頭が切り替わる
きっかけは、大嶋祥誉氏の『マッキンゼーで学んだ 時間の使い方がうまい人の一瞬で集中する方法』という本だった。
彼女は「一瞬、全力で身体を動かすと集中力が戻る」と書いていた。
具体的には、彼女の部屋には「サンドバッグ」があり、集中が切れたなと思ったらグローブをつけてサンドバッグを叩くのだという。ほんの数回だけでも気分が一新され、再び集中して仕事に戻るのだとか。
現代人は「思い切り身体を動かす」ということをあまりしておらず、「同じ姿勢でずっと座り、パソコンを見つめ続ける」のと対極の行動を取ることで、気分が一新されるのだという。
なるほどと膝を打った私だが、オフィスでサンドバッグを叩くわけにもいかないし、水泳や筋トレをその場でできるわけでもない。それなら階段でいいんじゃないか。そう思って始めてみたのだ。
私がやっているのは、1フロアか2フロア分、全力で駆け上がるだけ。エレベーターを待つ代わりに、階段を走る。たったそれだけ。同僚は頭がおかしいやつだと思っているのかもしれない。転ばないように注意しつつ、ひたすら全力で駆け上がる。
でも、この数十秒が意外なほど効く。走り終えた後は、息が上がり、頭が一度リセットされたみたいにスッキリする。
移動時間も短縮できて一石二鳥
この方法のいいところは、時間の節約にもなるところだ。
エレベーターが混んでいて、地味に待たされることがある。だったら階段を使った方が早いし、ついでに脳もリセットできる。移動と気分転換が一度に済むのは、けっこうありがたい。
午後の眠い時間帯や、集中が切れてきた時。会議の前や、昼休み明け。そんなタイミングで階段を駆けると、頭が冴える。
週末は水の中で完全オフ
階段ダッシュとは別に、少し前に書いたとおり、最近は週末に水泳をしている。土日どちらか、週一回のペースだけど、これもかなり気持ちがいい。
大嶋氏もマッキンゼー時代は、週に2~3回泳ぎに行っていたと同書に書いてあった。
プールの中はスマホも見られないし、音も聞けないから、強制的にデジタルデトックスができる。しかも全身を動かすから、頭の中までスッキリする。
泳いでいると、何も考えない時間が自然と生まれる。そこからふっと「これやってみようかな」とか「意外とあの件、簡単に片付くかも」といったアイデアが出てきたりする。たぶん、思考が整理されていくんだと思う。
まとめ
集中力は、気合いで取り戻そうとしてもうまくいかないことが多い。
それよりも、いったん身体を動かしてリセットする方が上手くいく。
「全力で階段を駆ける」だけで、スイッチが切り替わる感じがある。
現代の働き方は、ずっと頭を使い続けるのが前提になっているけれど、実は頭を休ませて身体を使うことの方が大事なのかもしれない。
そのためのちょっとした工夫が、日々のパフォーマンスを地味に支えてくれるのである。
おしまい
