2010年4月にホリエモンがアメーバブログ(「六本木で働いていた元社長のアメブロ」)で、「起業してほぼ確実に成功する方法」という記事を書いていて、これがかなり名文である。久々に読み返してみた。
その内容は、起業を成功させる可能性を高めるための 「4つのビジネス条件」 と、起業初期に求められる 圧倒的な集中と努力に関するものである。
まず、ホリエモンの提唱した「成功しやすい起業」4条件として、記事では次のような条件を挙げている。
・利益率の高いビジネス
・在庫を持たないビジネス
・定期的に一定額の収入が入ってくるビジネス(サブスクや会員制等)
・資本ゼロあるいはごく少額の資本で始められるビジネス
こうした条件に当てはまるビジネスモデルとしてパッと思い浮かぶのが、コンサルティング、デジタルコンテンツ、オンラインサロン、有料メルマガ等だ。
さらに、成功する働き方として以下を挙げる。
・睡眠時間以外はほぼ全てを仕事に費やす覚悟を持つ
・起業してからの 3年間くらいは、友人の付き合い・セミナー・飲み会・異業種交流会などに時間を割くよりも、売上に直結する作業だけに徹すること
・食事は会社で弁当を取らせたり、宅配にしたりして極力時間を節約
・土日も旅行も無く、デートや趣味、移動時間すら「無駄」として排除し、仕事中心の生活を築く
こんな感じだ。
今になって読んでみて、このホリエモン流“起業成功法”は、意識高いサラリーマンにも効くと感じた。
一見すると起業家向けのハウツーに思えるが、実のところ、これはあらゆるビジネスパーソンにとっての“成果の出し方”マニュアルと言ってもいいだろう。
まず、先ほどの成功するビジネスの4条件はどれもシンプルだが的を射ている。
これは実際に起業する人間だけでなく、会社員が副業を始めるとき、あるいは社内で新規プロジェクトを立ち上げるときにもそのまま当てはまる。
成功確率を高めたいなら、まずこの4条件を満たしているかをチェックするだけで視界がクリアになるだろう。
また、後半のホリエモンのメッセージは普遍的だ。
要するに、成果を出したいなら、圧倒的に“成果に直結すること”だけをやれ。
ということに尽きる。交流会、セミナー、SNS、無駄なランチ、ダラダラ会議。それらを“仕事っぽいこと”と勘違いしているうちは結果など出ない。起業家でもサラリーマンでも、それは同じである。
実際、会社の中で評価される人間というのは、「売上や成果につながる行動に自分の時間を集中的に投資できる人間」である。しかも、そういう人は決まって忙しそうに見えない。なぜなら、無駄を排除し、集中しているからだ。
ホリエモンは、起業初期の過ごし方として「睡眠・食事以外は全部仕事に使うべし」と書いた。読書も飲み会も旅行も恋愛も後回し。狂ったように働けと。
この思想に拒否反応を示す人は多いだろう。だが現実は残酷だ。圧倒的にやった人間しか、上に行けない。これは起業に限らず、出世でも副業でも同じである。
「俺・私はそこまでしたくない」と言う人は、別にそれでも構わない。ただし、その選択には“報酬の差”が確実に待っている。会社員だからといって、好きなことを少しずつやっていれば給料も評価もついてくる、という幻想は、もはや成り立たない時代である。
起業=自由というイメージが先行しがちだが、ホリエモンが語る起業とは「自分を極限まで仕事に追い込む」ストイックな行動である。だが、その追い込みの中にこそ自由があると言えるかもしれない。なぜなら、選ぶのも、やるのも、全て自分次第だからだ。
これはそのまま、意識の高いサラリーマンにも当てはまる。成果を出せるかどうかは、“どこまで本気でやれるか”にかかっている。
おしまい