最近、茂木健一郎氏の『膨大な仕事を一瞬でさばく 瞬間集中脳』という本を読んで、非常に内容が気に入った。
具体的には、著者が言う「一秒も無駄にしまい」という精神に強く共感した。月並みな表現ではあるが、とても大事なことだ。
夜に自由な時間があっても、ついダラダラしてしまうこともまだまだ多い。そんな自分にとって、この本が提案する「瞬間集中」という発想は救いになる。
印象に残ったのは、集中力は「持続させる」ものではなく、「瞬間的に何度も切り替える」ことで生み出せるという考え方だ。
人間の脳は新しい刺激を好む。だから、同じ課題に飽きてしまったら、無理に続けるのではなく、すぐに別の課題へ移ればいい。
対象をコロコロ変えていくことで、やがて「これだ」と思えるものに深くハマり、自然と集中に入れるという。これは従来の「集中力を長時間維持する」イメージとは正反対だが、実際に試してみると腑に落ちる部分が多い。
さらに著者は「引き込み現象」という言葉を使う。
これはなんか「引き寄せの法則」みたいで若干怪しいんだけど、会議の合間や移動時間など、ほんの数分でも違うモードの作業に切り替えると、脳は一気に集中モードに引き込まれるという話だ。
だから、5分という短い時間でも「瞬間集中のチャンス」として活用できる。逆に「たった5分だから無駄」と思うことが、時間を浪費する最大の原因になる。
この考え方に倣って、最近は5分刻みで行動を切り替えることを意識している。
たとえば夜の自由時間に、ニュースを読む、読書する、新聞をチェックする、タバタ式トレーニングを行う、ホリエモンのメルマガを読む。どれも少しずつだが、5分経ったら次へ移る(厳密には5分に拘らず、過集中できる長さの時間)。こうすれば「気づいたらYouTubeを1時間見ていた」ということがなくなる。小さな切り替えを積み重ねるうちに、夜の時間が濃密になる。
ちなみに、長時間一つのことに集中できそうな時は、もちろん一つの作業を続けることは申し添えておく。
今年特に実践したいのは、毎年買ってはほぼ新品のまま積んでしまう「会社四季報業界地図」と「日経業界地図」だ。
これまでは、年に何回か仕事上のリサーチ業務でしか活用しておらず(まあ、それでも十分役に立っているという考え方もあるが)、ピカピカの状態が続く。
しかし、これを「5分刻み」のメニューに入れれば状況は変わるはずだ。1日5分だけ読めば、1年で30時間以上になる。細切れでも積み上がれば大きな成果になる。一度、この積み重ねの力を信じてみたい。
集中を持続させるための工夫もする。たとえば、インプット系とアウトプット系を切り替える。ニュースを読んだら、次はブログの下書きを書く。一人での作業が続いたら、誰かにメッセージを送ってコミュニケーションに切り替える。座り作業が続いたら、立ち上がってトレーニングを挟む。こうして集中の対象に「振れ幅」をつくると、脳はリセットされ、再び新鮮な気持ちで作業に戻れる。
大事なのは「5分では何もできない」と思わないことだ。むしろ5分だからこそ気軽に始められるし、集中しやすい。読書なら数ページは進むし、先ほどの業界地図なら1つの業界はチェックできる。ニュースなら見出しをざっと一読できる。
「一秒も無駄にしまい」という言葉を胸に、5分刻みでコロコロと行動を変えていく。来年こそ、2026年版の業界地図がボロボロで世代交代できるようにしたいものだ。
おしまい


