最近読んだ『放っておく力』という本が、思いのほかよかった。
アマゾンの知的生き方文庫のランキングで1位と、かなり売れている本のようだ。
この本は、禅の思想をベースに「反応しすぎない」「必要以上に抱え込まない」という姿勢を説いた一冊なのだが、人間関係や仕事の中で、つい余計なことに心を奪われてしまう人に向けて、シンプルかつ実践的なアドバイスが書かれている。一つの項目が短くめちゃくちゃ読みやすい本なので、普段本を読まない人にもオススメだ。
「他人を変えようとしなくていい」「理解できないことは理解しなくていい」「放っておけばいい」などメッセージは単純だが、精神的に疲れているときには心に響く。最近の自分には特に効いた。
女の言い方と親の一言
疲れているときは、他人の言動に過敏になってしまう。
最近も、ある女のものの言い方や所作に引っかかり、老害化しつつある親の一言にイライラする。
本当は受け流せばいいだけのことなのに、近い存在だからこそ余計に心に残ってしまう。
「もっとドライでいい」「理解できないなら放置する」
このフレーズを思い出すだけで、少しだけ気が楽になる。冷たい態度を取るのではなく、必要以上に自分の心を削らない態度が重要だとわかる。
イライラは出てきていい
まず他人と接している以上「イライラは出てきて当然」なのだと思う。大切なのは、それをどう扱うかである。
たとえば、女の言い方にモヤッとしたら「あ、今モヤッとしたな」と客観的にラベルを貼って終わりにする。親の言葉には「また出たな、世代ギャップ」と実況するように受け止める。それ以上、心の奥まで入れさせない。
こうして冷静に自分の感情を認識すれば、怒りに振り回されなくなる。
また、この本とは直接関係がないが、アンガーマネジメントにおける有名な「6秒ルール」も意識したい。怒りのピークの6秒間をやり過ごすことで、感情的な興奮が収まり、理性的な思考を取り戻せるようになるので、この6秒を乗り越えられるようにしよう。まあ、言うは易しでこれがなかなか難しいんだろうけど。
一晩寝れば忘れる強み
幸い、自分は完全に「一晩寝れば忘れられる」タイプだ。これは大きな強みだと思う。人によっては数日、数週間もイライラを引きずることもあるが、寝ればリセットできるのだから、ある意味で既に「放っておく力」を持っているのだ。
むしろ課題になるのはその日寝るまでの時間である。イライラを抱えたまま眠りにつくと、浅い眠りになってしまうことがある。だからこそ、寝る前に気を逸らす仕掛けが大事だ。音楽を聴く、日記を書く、軽い運動をする。そうして「まあ寝れば忘れる」と自分に言い聞かせれば、心が少し軽くなる。
まとめ
『放っておく力』は、日常のささいなイライラに効く本である。人間関係に過剰な期待を抱かず、理解されなくてもいいと思えるだけで、心の疲労は減っていく。これは大事なスタンスだ。
女や親といった近い存在だからこそ、余計に腹が立つ。だが、その一言一言を真剣に受け止めていたら、こちらの心が持たない。ドライでいい。理解されないなら放置でいい。
疲れを感じやすい今だからこそ、この考え方を日常に取り入れていきたい。
そして、先日、またクソコメがついていた。放っておこうと思ったが、消してやった。全然放っておく力ないなぁ。
何度も繰り返し言っているが、無料ブログの内容が気に食わないなら、いちいちコメントせずブラウザを閉じて欲しい、とだけ改めてお伝えしておきたい。
おしまい
