
Kindleセールの甘い罠
頻繁に実施されているアマゾンのKindleセールは非常に魅力的である。
値引き表示(50%以上はザラ)に心を奪われ、つい「今買わなければ損だ」と思って購入してしまう。
その瞬間はお得感に包まれるが、後になって開かないまま眠っている本が増えていく。
電子書籍は紙の本のように部屋を圧迫しないが、読まずに放置された積読は、心の中の片隅に確かに積まれていく感じがする。
5分読書という割り切り
そこで私が最近実践しているのが、Kindleアプリを開いてライブラリの中から気になる本をどんどん開いていく方法。
冒頭の「はじめに」や「目次」、そして自分が気になる項目だけを拾い読みする。1冊にかける時間は長くても5分ほど。にもかかわらず、十分にエッセンスは掴める。そして、読み終わったらスマホの容量を確保するために端末から削除する。
ビジネス書は小説とは違う。ストーリーを追わなければならないわけではなく、要点や考え方さえ拾えれば十分に意味がある。むしろ全ページを精読しようとすると、情報が冗長になり、本来必要なポイントを見失うことすらある。5分で要点を掴み取る方が、タイパに優れており、積読を力に変える実践的な手段となる。
紙の本や雑誌にも応用可能
この考え方は、Kindleだけにとどまらない。自宅に保管している紙の本や、楽天マガジンで配信される雑誌にも同じやり方を適用できる。とにかく「全部読もう」としないことが重要だ。
本をパラパラとめくり、気になった見出しや図表だけを拾っていく。それだけで十分に全体像を掴める。雑誌であれば流し読みを繰り返すうちに、自然と今の自分に必要な記事だけが目に残るようになる。結果として、多くの情報に触れながらも、自分の感覚がフィルターとなって本当に必要な知識を選び取ることができるのだ。
フロー情報とストック情報を仕分ける
私は「フロー」と「ストック」を意識的に分けている。大半の情報は一度読んで流れていく「フロー情報」として扱い、知らない情報や、心に引っかかった部分だけを日記に残す。それが「ストック情報」になる。
ストック情報は定期的に見返すようにしている。これによって忘却を防ぎ、知識を定着させられる。フロー情報とストック情報を切り分けて扱うことで、精神的な負担も軽くなるし、情報収集が漫然としたものではなく「資産形成」のプロセスに変わる。
積読を資産に変える
急いで眺めた積読本は、読み方を変えるだけで一気に負債から資産へと姿を変える。気になるタイトルを開き、5分だけ拾い読みする。そうすれば本は「読んでいない」という重荷から、「短時間で知識を与えてくれる存在」へと変わる。
結局のところ、読書は量や完読数を競うものではない。ビジネス書はタイムパフォーマンスを意識し、短時間でも本から学びを取り出して生活や仕事に活かすことこそ、意味がある。積読の山を前に悩むのではなく、まず一冊開き、5分だけ読んでみればいい。それだけで、読書体験は大きく変わる。
おしまい