一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

アンガーマネジメント3ステップ

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ここ最近、職場で腹立たしいことが多かったため、アンガーマネジメントに関する本を立て続けに読み漁った。

自己啓発書から心理学の専門書に近いものまで一通り手に取ってみたが、結局のところ言わんとしていることは驚くほどシンプルである。どの本も言葉や事例は違えど、核となる部分は共通していた。

 

すなわち、怒りという感情は完全に消し去ることはできず、うまく「扱う」しかないという事実である。そのうえで、実際の対処法を突き詰め、複雑な理論や専門用語ではなく、誰にでもすぐ実践できる3つのステップに集約してみた。

本稿では、その三段ステップ――「他人に期待しない」「それでもイライラしたら6秒数える」「それでも収まらなかったら場を離れる」――について整理してみたい。

 

ステップ1:他人に期待しない

怒りの根源の多くは「期待の裏切り」である。

「あの人ならこうしてくれるはずだった」「常識的に考えて、こう行動するべきだ」という思い込みが裏切られたとき、人は最も強く腹を立てる。だからこそ、そもそも他人に過度な期待を抱かないことが、怒りの予防になる。

これは決して諦めではなく、他人を完全にコントロールすることは不可能だという現実を受け入れ、自分の心を守るための基本的な心構えである。

 

ステップ2:それでもイライラしたら6秒数える

どれほど心構えをしていても、人間である以上イライラは避けられない。

そこで有効なのが「6秒ルール」である。怒りの衝動にはピークがあり、その持続はおおむね6秒間とされている。この短い時間をやり過ごすだけで、感情の爆発は驚くほど抑えられる。

方法は単純である。心の中で「1、2、3…」とゆっくり数える。それだけで理性が追いつき、感情の嵐は和らいでいく。科学的な根拠に裏打ちされた極めてシンプルな方法であり、職場でも家庭でも瞬時に使える。

 

ステップ3:それでも収まらなかったらその場を離れる

しかし、すべてが6秒で解決するわけではない。

ときには怒りが尾を引き、理性では抑えきれない場面もある。その場合、最も効果的なのは「物理的にその場を離れる」ことである。

議論が白熱しすぎたら、一度席を立ちトイレに行く。家庭内で感情的になったら、外の空気を吸いに散歩に出る。仕事中であれば、PCを閉じて別の部屋に移動する。わずかな距離の移動であっても、環境が変わるだけで心の熱は不思議と沈静化する。

場を離れることは「逃げ」ではない。自分の感情をこれ以上悪化させないための賢明な戦略である。

 

三段ステップの強み

この方法の本質は「予防 → 一時抑制 → 最終回避」という階段状の流れにある。

最初の段階で火種を減らし、次の段階で衝動をやり過ごし、最後の段階で環境ごと切り替える。怒りをゼロにする必要はなく、段階的に処理できれば十分である。

また、この三段ステップはシンプルであるがゆえに再現性が高い。誰でも覚えられ、どんな状況でも応用可能である。複雑な理論よりも、日常に根付かせる習慣こそが実効性を持つ。頭で理解するだけでなく、繰り返し実践し、体に染み込ませることが肝要である。

 

まとめ

怒りは人間に不可避な感情であり、完全に消すことはできない。だが、それに支配されず、コントロール下に置くことはできる。そのための実用的な方法が「他人に期待しない」「6秒数える」「場を離れる」という今日紹介した三段ステップである。

これは誰もがすぐに実践できるアンガーマネジメントの基本であり、人生を滑らかに進めるための最低限の護身術である。複雑な理論よりも、日常生活に即したシンプルな実践法が最も役に立つ。怒りは消すのではなく、コントロールするもの。その第一歩として、この三段ステップを日常に取り入れてみてはどうだろうか?

 

おしまい