一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

企業文化は些細な所作に出る

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先日訪問した取引先のJTC(超大企業)で、心底「終わっている」と感じた場面があった。

エレベーターに乗り合わせた社員が10人ほど。ゲストカードを首からぶら下げていて、こちらが明らかに客であると分かるにもかかわらず、誰一人として「開」のボタンを押そうとしない。これが現実の企業文化だ。

 

企業文化とは、経営理念や人事制度で飾り立てるものではない。結局は、エレベーターのボタンひとつに表れる。些細な所作に、その会社の本質が滲み出るのである。

「顧客第一」だの「信頼を大切に」だのとスローガンを掲げても、社員が日常でやっていることがすべてを物語る。行動こそが文化だ。

 

本当は社名を公開したいくらいなのだが、世間ではその会社は「誰もが入りたがるホワイト企業」とされ、高年収で安定していると評判らしい。

だが、そこで働く人間の人間性が腐っていれば、待遇がどれほど良くても意味がない。年収の高さは、社員の劣化を覆い隠す化粧に過ぎない。むしろ「金に釣られて魂を売った集団」という印象すら抱かせる。人間性の欠落したホワイト企業など、ブラックよりタチが悪い。

 

私はもともとJTCを好ましく思っていなかったが、この一件で確信に変わった。まあ、全てのJTCが同じではないことは理解はしているが。

人として終わっている社員に囲まれて働くくらいなら、低賃金のベンチャーであっても、まだ人間らしい関係の中で仕事をする方がマシだろう。

結局、企業の魅力とは「給与水準」や「残業時間」ではなく、「社員がまともかどうか」に尽きる。

 

幸い、私の職場は激務だが、ほとんどの社員はまともだ。客がいれば自然に気を配り、同僚が困っていれば助け合う。だからこそ長時間労働にも耐えられる。人間関係が腐っていれば、どれほどホワイトな条件を並べても心は壊れる。逆に人がまともなら、多少のブラック要素は乗り越えられる。

 

エレベーターで「開」を押すかどうか、それだけで企業文化を測るには十分である。社員がボタンひとつ押せない会社に未来はない。待遇に目を奪われ、人間性の腐敗を見逃してはならない。

 

おしまい