どの職場にも、かならず一人は「人格に難あり」の人間がいる。
人を見下す、ケチをつける、会議を壊す、マウントを取りたがる──。
本来なら組織に不要なはずだが、現実にはそういった人間が生き残っていることも多々ある。理由は単純で「稼ぐ」「上には従う」「肩書が強い」「解雇できない」。たとえ害があっても、組織論理の中で保護されてしまうのだ。
先日読んだ安達裕哉氏の記事では、こうした“問題人格”への対処法が、タイプ別にまとめられていた。内容が実に現実的で、綺麗事で終わらせない点に共感したので、ご紹介したい。
■ 問題タイプは大きく5種類
記事では、特にプロジェクト現場で悪影響を及ぼす人物として、次のタイプが挙げられている。タイプ別の対処法も簡単に記載する。
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他人を貶めて快楽を得るタイプ
→会議で発言させない。前に出さない。隔離が最適。 -
承認欲求モンスター
→冒頭で喋らせて満足させ、早く帰らせる。 -
詰めて支配するパワハラ型
→代弁して先に論点を取り上げ、主導権を握る。 -
何にでもケチをつける冷笑型
→最初に意見を言わせ、逆に議論の的にする。 -
モラル低いヤンキー型
→公式の場で躾けない。プライベートで懐柔する。
いずれも「正面から正論で対抗しても効果は薄い」という前提で書かれている。「本人を変える」のではなく、「被害を最小化する」という割り切りが徹底している点が特徴である。
■ 記事から得た教訓
私がこの記事から得た教訓は以下3点である。
① 問題児はラベルする。分類してから攻略が始まる
「どのタイプか」を見極めた時点で、取るべき行動が決まる。
問題児は“人格”でなく“現象”として扱う方が、余計な消耗を避けられる。
② 問題児の駆逐より、影響範囲のコントロールを優先する
「変えよう」「勝とう」とするほど消耗する。
組織で重要なのは、距離の設計・場の設計・発言機会の設計である。
③ 善人だけでは組織は守れない。現実的な防御スキルが必要
「正しさ」は通じない場がある。
だから防衛スキルを持つことは、自分とチームを守る最低条件である。
■ おわりに
問題児は消えない。ならば戦い方を変えるしかない。
この記事はその現実を直視したうえで、「被害を最小化する方法」を提示してくれる。職場のストレスに心当たりのある人は、一読の価値があるだろう。
おしまい