一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

次の日が休みの日にちょっと早く帰って知らない街に行く

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年にほんの数回だが、翌日が休みの日に、少し早く会社を出て知らない街に行くことがある。このひと時がなんとも言えず好きである。

誰かと約束をするわけではなく、無論一人で行く。早い時間に行くと街は老若男女の群れだらけだ。だが、群れて騒いでいる連中を見るのは嫌いではない。自分がその輪の外に立っていることを確認できるからだ。

 

先日は吉祥寺に行った。あるビジネス書を探していたら、その街のジュンク堂にしか在庫がなかったからだ。

18時頃の電車は混んでいる。21時頃には疲れたサラリーマン・OLだらけだが、この時間だとこれから遊びに行く若者や定時上がりのホワイト企業の社員が各々の時間を過ごしている。

 

吉祥寺のジュンク堂は初めて行ったが、早い時間でもガラガラで、本をゆっくり探したい人には大変良い空間だと思った。

本を手に入れた後、腹が減っていたのでラーメン屋に入る。店内は学生でごった返していた。普段は深夜にしか外を歩かないので、自分には普段縁のない世界だと感じながら、一人ラーメンをすする。

 

電車に乗って帰る途中、一駅前で降りた。

わざと遠回りをして歩く。自販機で買った缶コーヒーを片手に、夜風に吹かれながら歩いていると、若かった頃の記憶が蘇る。あの頃も一人で夜道を歩き、他人の笑い声を背にして過ごしていた。変わらないのは孤独だけか。

だが、その孤独は自分が選び取ったものだ。酔っ払いの群れを横目に、自分はフレッシュな頭で帰宅する。

 

家に帰ってもまだ早い。いつもようやく帰宅するくらいの時間だ。世のホワイトな人たちはこんなにも自分の時間が持てるのか、と愕然とする。

熱いシャワーを浴びて、涼しい部屋で買ったばかりの本を開く。数ページを読み進めるうちに眠気がくる。布団に潜り込み、翌朝は目覚ましをかけずに眠る。ただ寝たいだけ寝る。これ以上の贅沢はない。

知らない街に行き、本を買い、食事をし、遠回りをして帰る。ただそれだけのことだが、毎日をあくせく過ごし、会社では同僚と肩をぶつけ合いながら競争している自分にとって、やすらぎの時間だ。

何も無理に遠くに行く必要はなく、数カ月に一回何か用事を作って、知らない街を散策するだけで非常に良いリフレッシュになる。そんなことを改めて感じた。

 

おしまい