一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

240日の戦場

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成果主義の会社に身を置いて丸2年。ようやくその空気に慣れてきた。

年功序列のJTCとは違い、評価は基本的に結果に基づく。努力や姿勢は加点対象ではなく、成果という形になって初めて意味を持つ。だからこそ、自分のキャリアを見据えたとき、この三年目を「勝負の年」と位置づけることにした。

全力でやり切り、それでも評価されなければ次へ進む。それが成果主義を生き抜く合理的な道筋と考えている。

 

成果主義で生き抜くためのキャリア戦略

年功序列の世界では、我慢と勤続年数が最大の武器だった。

しかし成果主義の環境においては、その武器は通用しない。芽が出なければ次へ移る、そのくらいの割り切りを持つことがむしろ健全である。

 

ここで重要なのは、「期限を決める」ことだ。いつまで続くかわからない我慢は、ただの消耗にしかならない。しかし「1年後に辞めるか続けるかを判断するための我慢」と決めれば、それは戦略的な猶予に変わる。日々のストレスも「耐える」対象ではなく、「検証する」材料として扱えるようになる。期限を切ることで、今この瞬間の努力に意味を与えられるのだ。

さらに、他人の仕事を積極的に巻き取る戦略も有効である。万一辞めたら困る存在になるというのは、人質を握ることに等しい。聞こえはネガティブかもしれないが、キャリア的にはむしろ強い立ち回り方だ。巻き取ることでスキルの幅が広がり、経験値が蓄積される。周囲の依存度が高まれば、自分が抜けたときにチームが回らなくなる。つまり社内での交渉力が強まる。

 

また、私のようなアラフォー以降を考えれば、単なる営業マンでは生き残りにくい。若手の体力とコスト優位性に置き換えられてしまうからだ。

求められるのは、営業の現場を理解したうえで仕組みを設計できる企画人材である。「仕組みをつくれる営業企画」は、年齢を重ねても市場価値が落ちにくい。だから私は営業の泥臭い経験を土台にしつつ、戦略設計力を磨く方向にシフトすべきだと考えている。

 

240営業日=240回の勝負

一年を240営業日と仮定する。これはすなわち240回の戦場があるということだ。

資料を作る、会議に出る、チャットで一言やりとりをする。その一つひとつが勝負の場であり、評価の加点や減点につながっていく。

多くの人は、日々の業務を「こなすもの」として捉える。しかし私は「戦場」として捉えたい。資料ひとつが審査の場であり、会議ひとつが勝負であり、チャットひとつが信頼残高を増減させる。そうした視点を持てば、240営業日が単なる消耗ではなく、戦略的に積み重ねるべき実戦の機会に変わる。

 

会議こそ最大の戦場

アラフォーにもなって恥ずかしいのだが、私にとって最も苦手なのは会議である。

しかし同時に、会議は最も勝負どころでもある。人が集まり、発言が記録され、評価者の目が揃う舞台だからだ。

会議で勝つために必要なのは、即興で論理を組み立てる力である。たとえば、PREP法を基本とし、結論→理由→具体例→結論という型を意識すれば、突発的に振られても破綻せずに済む。

発言は量ではなく質で勝負すべきだ。長々と話すのではなく、核心を突く質問や一言のまとめで会議を締める人間になれば、場の記憶に残る。苦手だからこそ、逆に差別化の余地がある。会議は私にとっての最大の修練場であると考えている。

 

戦略設計力を磨くために

戦略設計力を鍛えるとは、思いつきで大胆なアイデアを出すことではない。むしろ、ロジカルシンキングを基盤にした「再現性のある思考プロセス」を身につけ、日々の業務に応用していくことである。

第一に必要なのは、数字から逆算する視点である。たとえば「売上を10%伸ばす」という目標があれば、それをリード数・成約率・単価といった要素に分解し、どこにテコ入れすべきかを仮説として立てる。仮説を小さな実験で確かめ、外れたら修正する。この繰り返しが戦略設計の筋力を確実に育てる。

第二に、フレームワークを道具として習得・実践することが欠かせない。MECEで漏れなく重複なく要素を洗い出し、ロジックツリーで課題の因果を深掘りし、ピラミッド構造で結論から説明する。こうした枠組みを使いこなすことで、思考が散らからず、相手に伝わりやすい形に整理できる。知識として知っているだけでは意味がなく、資料作成や会議で繰り返し使うことで初めて身体化される。思考を型にはめ、何度も実戦で試す。これこそが戦略設計力を磨く唯一の近道だと実感している。

 

まとめ

成果主義の世界でキャリアを積む以上、「三年目を勝負の年」と決めて挑むのは必然である。一年240営業日、それぞれが戦場であり、資料・会議・チャットのすべてが勝負の場になる。そのなかでも会議は最大の舞台であり、苦手だからこそ突破すべき要塞である。

私は「戦略設計力で勝負できる人材」になることを目指す。営業経験を基盤とし、仕組みを設計し、数字で成果を証明する。そうして積み上げたものが、アラフォー以降も通用する真の武器になるのだ。

 

おしまい