一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

会社とディールする

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会社は「契約でつながる場所」

会社とその社員は契約関係で結ばれている。

社員は時間と労働力を供給し、会社はその分の給料を払う。

基本的にそれだけの関係である。

 

にもかかわらず、多くの人は会社を「家族」や「仲間」と感じようとする。

だが現実は、成果が出なければ配置が変わり、評価も下がる。

人事も昇進も、契約の延長線上にある。

 

この「契約で動く」という考え方を、政治の世界で体現してきたのがトランプ元大統領である。

彼はどんな交渉でも、最初に自分の条件をはっきり出す。

そのうえで、相手に選ばせる。

感情ではなく条件で決める――それが彼の一貫したやり方である。

 

たとえば、日本製鉄がアメリカの鉄鋼大手USスチールを買収したとき、トランプ氏は「アメリカ政府が最終的な決定権を持つ」という条件を出した。

日本側はそれを受け入れる形で合意した。

強気に見えるが、これこそがディール(取引)の基本である。

先に条件を出し、交渉の土台をつくる。

お互いが納得できる形に持っていく。

 

会社と社員の関係も同じである。

働く側は、自分が出す成果と、求める待遇をはっきり示すべきだ。

「評価してもらえるかどうか」ではなく、「この条件でやります」と伝える。

それが、トランプ流の“ディール”を仕事に生かす第一歩である。

 

昇格をベースライン、昇級を最低ラインにする

会社で働く以上、成果を上げた人が評価されるのは当然である。

しかし、頑張っても昇格や昇給の基準があいまいなままということは多い。

そこで、条件をはっきりさせておく必要がある。

 

私の場合、次のサイクルでは、昇格をベースライン、昇給を最低ラインとする。

昇格は役職が上がること、昇給は給料が上がることを意味する。

どちらも実現しなければ、今の働き方を見直す。

 

「次のサイクルでは昇格を目指します。難しい場合でも、昇給だけは必ず実現したい。

どちらも難しければ、別の選択を考えます。」

 

これは感情的な話ではなく、きちんとした条件の確認である。

お互いの立場をはっきりさせることが目的だ。

 

ディールは「真剣な約束」

ディールは要求ではなく、約束である。

こちらが条件を出す以上、そのための努力を最大限にする責任がある。

「上がれなかったら辞める」ではなく、

「上がるために全力を尽くす」という姿勢が必要だ。

 

ディールは逃げ道ではない。

期限を決めて、本気で結果を出す覚悟のことを指す。

努力を“期限付きの約束”に変える行為である。

 

結果で話す

仕事の世界では、「どれだけ頑張ったか」ではなく「何を達成したか」で評価される。

感情よりも、数字と結果がすべてである。

 

この考え方を徹底すれば、余計な不満は減る。

上司の機嫌を気にする時間も減り、行動の目的が明確になる。

結果を“待つ”側から、“つくる”側に変わることができる。

 

会社に尽くすのではなく、会社と話し合う

会社に一方的に尽くす必要はない。

会社と対等に話し合えばいい。

残るか、辞めるかは、感情ではなく結果で決める。

 

次のサイクルは、自分と会社の「最終ディール」である。

昇格できれば、次のステージが見える。

昇級止まりなら、それを最低ラインとして受け入れる。

どちらも叶わなければ、契約を満了にする。

 

ディールとは、自分の働き方を会社任せにしない考え方である。

条件を自分で決め、その中で全力を尽くす。

それが、一番わかりやすく、誠実な働き方だと思っている。

 

おしまい