かつて、会社の飲み会で酒を飲まない人間は、「つまらない奴」と言われた。
しかし、時代は大きく変わってきている。
飲み会とは気晴らしの場であるはずなのに、実際にはリスクが大きすぎる場である。
大企業役員の不祥事やハラスメントのニュースを見るたびに、酒の席がいかに危険なのかを痛感する。
私はむしろ、職場の飲み会こそ「飲まない」方が圧倒的に合理的であると考えるようになったのである。
■理由①:ハラスメント・不祥事を防ぐため
ニュースなどで職場で問題が起きる場面を見ると、驚くほど飲酒が絡んでいる。
不適切な発言、誤解を招く身体接触、上下関係を誤る態度……。シラフなら絶対にやらないことが、酒で抑制が外れた瞬間に起こる。
しかもキャリアは、積み上げるのに何年もかかるが、壊れるのは一瞬である。飲まないことでこの「うっかり」を避けられるなら、それは十分に戦略である。
■理由②:帰宅時のトラブルを避けるため
危険なのは飲み会そのものではなく、帰り道である。
他人とのトラブル、口論、転倒によるケガ。
酒を断つということは、夜の街でのリスク遭遇率を確率的に下げる行為である。
■理由③:健康という最大の資産を守るため
ニデックの永守重信は、45歳で潔く酒を断った。
「飲んだ翌日のパフォーマンスが目に見えて落ちる」と悟ったからだという。
この姿勢は、いまの働き方において極めて合理的である。
翌日の集中力・思考のキレ。飲まないだけでこれらは確実に改善する。
健康はキャリアの基盤であり、酒を減らすほどパフォーマンスは底上げされる。
■飲まないという選択は“逃げ”ではなく戦略である
以上の三点を踏まえると、飲み会で飲まないという選択は、感情ではなく“戦略”の話である。
では、シラフでいることで生まれた余白の時間をどう使うか。
ここからが本題である。
私は最近、飲み会の席でコソ勉をしたいと思う。
酔っていく周囲を横目に、自分だけ静かに前に進むのである。
■コソ勉は「1〜2秒でできる勉強」が中心でいい
長時間スマホを見るのは不自然なので、やることは極めてシンプルだ。
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Kindleで読んだビジネス書のスクショを数枚だけ確認
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専門用語や英単語を一行だけ覚える
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北村良子『33の思考実験』のような本の問題文だけ読んで、その場で考える
雑音の中で考える行為は、むしろ本番に強い頭をつくる。
■“脳内MBA”という最強のコソ勉
さらに効果が大きいのが、MBAの目次を頭の中で復元する方法である。
スマホを見る必要すらない。
マーケティングなら
「3C → STP → 4P → ブランド戦略」。
経営戦略なら
「競争優位 → 5フォース → バリューチェーン → コアコンピタンス」。
ファイナンスなら
「NPV → IRR → WACC」。
これらを頭の中で辿るだけで、知識の棚卸しができる。
飲み会という中途半端な時間を、“思考のメンテナンス”の場として使うのは非常に効率が良い。
■結論:飲み会は「飲む場」ではなく“差がつく場”である
酔いに流される空気の中、自分だけは冷静に積み上げる。
その数十分が、翌日のパフォーマンスに直結する。
飲まないという選択は、
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リスク回避
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健康管理
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生産性向上
そして、
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コソ勉による自己成長
これらすべてを同時に手に入れる方法である。
飲み会の喧騒の中で、ひとり静かに強くなっていくのである。
これは現代のサラリーマンにとって、ひとつの合理的な戦い方である。
おしまい
