一匹狼の回顧録

30代の孤独な勤め人がストレスフリーな人生を考える

戦略的シラフ

少し前の記事で、私は「飲まない」という選択が合理的だと書いた。
今回は、その“実践編”である。

合理性は頭では理解している。
しかし、実際の飲み会の席でどう振る舞うか——サラリーマンをやっていると、ここが非常に難しい。
長年ふつうに飲んできた人間が、急にウーロン茶を頼めば当然「どうした?」と聞かれる。これが面倒なのである。
だからこそ、路線変更には少しだけ説明が要る。

最近、自分の中でしっくり来ているのは、
「気づき」「変化」「自虐」を混ぜる方法だ。

たとえば、

「昔は普通に飲んでたんですけど、最近どうも翌日の回復が遅くて…。
仕事の集中力が落ちるとけっこう響くんで、控えてるんです。」

これは、長年飲んでいた人間にとって都合がいい。
“最近気づいた変化”という形にすれば、違和感がない。

もっと軽くしたいならこうだ。

「最近ようやく気づいたんですけど、飲んだ翌日の頭のキレが落ちるタイプで…。
自分アホなんで、せめてコンディションは整えようと思って(笑)」

自虐を混ぜると、本人を攻めにくくなる。
「そこまで言うなら仕方ないか」という空気になる(たぶん)。

 

そして、実際に飲まないでいると明確にわかるのは、
シラフのまま終電まで付き合っても、翌朝ちゃんと起きられるという事実だ。
もちろん若干の疲れは残るが、“酒を入れた翌日の重さ”とはまったく質が違う。
思考の立ち上がりが軽い。もちろん、二日酔いもない。
この差は年齢とともに確実に大きくなる。

 

つまり、飲まないという選択は、
「付き合いはこなし、翌日は壊さない」という
働き方のデザインでもある。

 

ここで、飲まない派にとってもう一つの問題が出てくる。
「ノンアルで何を飲むか」問題である。

ウーロン茶は無難だが、私はあえてコーラにしようと思っている。

 

面白い話がある。
トランプ大統領は酒を全く飲まない。
代わりに、無類のダイエットコーク好きで、
執務室のボタンひとつでコーラが運ばれてくる仕組みまで作っていたという。
世界のトップがコーラで戦っていたのなら、
飲み会でコーラを頼むくらい、むしろ堂々としていい。

 

そしてふと思う。
酒を飲まず、ゴルフもしないサラリーマン。
平成の価値観なら、間違いなく大減点だっただろう。
だが今は違う。
飲まなくても、ゴルフをしなくても、
仕事の質と結果で評価される時代になった。
本当に良い時代になったと思う。

飲み会に参加しながら、飲まない。
酔いの空気の中で、自分だけは静かにペースを守る。
これは“逃げ”ではない、“戦略的シラフ”である。

 

おしまい