近頃、「飲み会で飲まない」という選択がだいぶ普通になってきた。
とはいえ、会社にはまだだいぶ酒を飲む側の論理が残っている。
営業でも管理職でも、静かに飲まないで過ごすにはそれなりの技術がいる。
次の飲み会では、私なりの“サバイバル術”をいくつか試してみようと思っている。
まず突破すべきは乾杯だ。
乾杯ビールは形だけ注文して役目は完了。
飲んだふりをして、一滴も飲まずに終えるのである。
そして、隣の飲んだくれにそっと譲る(事前に私が飲まないことはネゴっておきたい)。
こうして儀式だけこなせば、その日の飲み会はもう半分終わったようなものだ。
その後のメイン戦は、
いかに「飲まない」を目立たせないかで決まる。
ウーロン茶を頼むと、どうしても飲まない人として認識されやすい。したがって、飲み物は一切頼まないのだ。
そこで私は、次回はカバンに小さな水を忍ばせておくつもりだ。
「喉乾いたんで水飲みますね」と言えばそれで終わる。
説明コストを最小限にするのが一番いい。
どうしても喉が渇いたときは、トイレを口実に外へ出る。
ついでに自販機かコンビニで水を一本買う。
5分だけシラフの世界に戻る。時間に余裕がありそうなら、アイスくらい楽しみたいものだ。
これらは昔からある古典技らしいが、職場によっては今でも普通に使われているじゃじだ。飲む文化の強い職場ほど、生き残り方に工夫が必要なのだろう。
それでも「なんで飲まないの?」と聞かれたときのために、返しのひと言だけは準備しておくつもりだ。
それは、この前書いたとおりだが、
「最近、翌日の頭の立ち上がりが鈍くて…歳ですね(笑)」
これくらいで十分だ。
自虐は、飲み会を静かに収めるための最強ツールである。
あるいは睡眠の話や気分の話でもいい。「飲むと睡眠の質が落ちるんですよ」「飲むと気分が落ち込んでしまって」
誰も反論してこない。
飲まないメリットは、単純だが大きい。
終電まで付き合っても、翌朝ふつうに起きられる。
頭の立ち上がりが軽い。
仕事の質が下がらない。
年齢とともに、この差は確実に大きくなる。
トランプ大統領も酒を飲まない。
代わりに、1日12本のダイエットコークを飲んでいたという。
世界を動かしていたのは、酔った男ではなく、
シラフで戦う男である。
今回まとめた方法を、次回の飲み会で静かに試してみたい。
おしまい