毎日、図書館で複数の新聞を読み、社会の動向を追うことが習慣となっている。
無料で質の高い情報に触れられるこの環境は、私にとって「第二の書斎」とも呼べる貴重な場所である。
一方で、無料で恩恵に預かってばかりいることに、どこか申し訳なさも感じていた。
そこで、手元にある『業界地図』や『日経キーワード』を寄贈することで、少しでも恩返しをしようと考えた。
どうせ、ブックオフに売れば100円程度の価値にしかならない。
それならば、公共の場で誰かの役に立ててもらう方が、本にとっても、社会にとっても有意義であるという心意気からである。
直接寄贈して見えた「情報の鮮度」という課題
実際に本を抱えて図書館のカウンターへ向かった。
スタッフの方に寄贈の意志を伝えると、丁寧に応対してもらえた。
しかし、そこで改めて認識したのは、図書館における「情報の鮮度」の重要性である。
『業界地図』のような統計や予測に基づく資料は、最新版であることに最大の価値がある。
多くの図書館では、寄贈された本を蔵書にするか、あるいは「リサイクルコーナー」で希望者に無料配布するかは、館側の判断に一任される。
今回の私の寄贈も、おそらくはリサイクルコーナーを通じて、必要とする個人の手に渡ることになるだろう。
自分の手を離れた本が、また別の誰かの学びになる。
それ自体は喜ばしいことだが、図書館という組織そのものの助けになれたかというと、自己満足の域を出ないのではないかという懸念も残った。
「チャリボン」という新たな選択肢への期待
この経験を経て、次なる恩返しの形として「チャリボン」という仕組みに強い関心を抱いている。
これは、古本の査定額を自分で指定したNPOや公共団体に寄付できるサービスだ。
チャリボンの優れた点は、古本をそのまま置いてもらうのではなく「資金」に変えて様々な支援先へ届けられる点にある。
また、寄贈のために本を運ぶ必要もなく、自宅でダンボールに詰めて集荷を待つだけという手軽さも魅力だ。
自分で箱を準備する手間はあるが、アマゾンなどで届いた箱を再利用すれば、環境負荷も抑えられる。
恩返しの形をアップデートし続けよう
今回、直接寄贈というアクションを起こしたことで、図書館側の面倒や、資料管理の難しさを肌で感じることができた。
直接本を届ける温かみも捨てがたいが、システムを介して効率的に支援を届ける方法もある。
大切なのは「いつも読ませてもらってありがとう」という本への感謝の気持ちを、独りよがりではない形へと昇華させていくことだろう。
次回の片付けの際には、ダンボールを用意し、チャリボンを通じて「知の循環」に参加してみるつもりだ。
次は、チャリボンの支援先リストから、どの図書館組織を応援するかじっくり選ぶところから始めてみたい。
おしまい