私にはこれと言って人に言えるような趣味はない。昔は酒が大好きだったが、30代後半になって飲む量が減ってきて、最近は激減している。
世間の多くの趣味というものは、どうしても「消費」だと感じてしまう。
海外旅行がまさにそうだ。若いころ行きまくっていたのでエラそうに言うのは憚られるのだが、数十万というお金とそれなりの時間を使って外国に行ったところで、数年経てば忘れてしまうような思い出しか残らなかった。あの若くて未来が今よりある時に、金と時間を自己投資に振り向けていたらと思うと今でももったいない気がするのである。
趣味は金か時間さえ差し出せば安易に手に入るものばかりで、「逃避」的な要素も強い。
他人から一歩抜きん出ようと思うのであれば、辛くても自分を追い込んでいかないといけない。
よくマッチングアプリで知り合った女と飲んでいると、お互いの趣味は何かという話になる。これが「映画観賞」でも「登山」でもいいし、「ゲーム」でもいい。しかし、同じ答えをどこかの女に言っている男が山ほどいるのである。
こういう周りと同じ凡庸な趣味(=凡趣味)の話をしていても、成功からはほど遠いのである。いや、変化の激しい時代だからこそ、私のような凡人は必死に努力をしてやっと現状維持ができるくらいに私は思っている。ストイックに過ごせないと生き残れない。
だから、私はこう答える。
平日に終わらなかった仕事があればまずそれを終わらせて、あとはひたすら読書・勉強。頭が疲れてきたら運動して気分転換して、あとは半身浴するくらいだと。
正直、これで減点をくらったことはない。堂々と引きこもり生活をアピールしている。
正味、あらかた女の方からすると男の趣味なんてどうでもいいらしい。長々と自分のよくわからない世界について語られる方がよっぽど鬱陶しいらしい。
逆に、私は日々新聞・雑誌・ネットニュースなどで様々な情報に触れているので、大抵の女の話にはついていくことができる。当然、女の方がその界隈の話には詳しいので、中途半端な私の知識を補完するためにいろいろと気持ちよくしゃべってくれるのだ。まさしくWin-Winである。
強いて言うなら、美容が趣味か。
整形とか脱毛までガッツリしている男は少ない。外見はなんだかんだ大事である。恋愛ではもちろんそうだが、仕事上でも清潔感があってパリっとしている方がいいに決まっている。特に、おっさんになると、どんどん周りがデブ・ハゲだらけになってくるので、差が顕著になってくる。数少ないコスパのいいオススメの趣味と言える。
凡趣味をやめ、自己投資になり高みを目指せる過ごし方をしよう。
おしまい