最近寝る前に少しだけ小説やエッセイを読んでから寝落ちする時間が好きだ。特に枕元にビールなんかあると最高。まあ歯磨けよって感じだが、夜中に起きた時にちゃんと磨くようにしている。
基本的にビジネス書や実用書はKindle一択なのだが、小説は紙の本の方がいい。ストーリーを思い出すのにパラパラ戻るのが簡単というのもあるし、スマホだとニュース記事やビジネス書同様斜め読みしてしまう感覚が染み付いてしまっている。紙の本だと落ち着いてゆっくり読める。理由は不明。
また、物理的な紙の本は、スマホを傍に置いて本に集中している自分に酔えるのがいい。「知的営為をしてる俺カッコいい」的な感じで、酒にも自分にも酔ってしまうのである。どうしようもないおっさんである。
前段が長くなったが、最近文庫本がかなり値上げされていることに気がついた。
私が大学生くらいまでは、ワンコイン、高くとも500円台で買えた記憶があるのだが、定価800円台〜900円台、中には1000円を超えるものまで出てきている。
昨年の日経新聞の記事によると、直近20年で25%以上上がっているらしい。多分今年はもっと上がっているだろう。
インフレ率以上の値上げ理由は、おそらくロットが小さくなっているからだと思われる。若い人たちがそもそも本を読まなくなっているし、読む人も電子書籍との競合に押されて取り込みにくくなっている。1回あたりの印刷部数が減れば、必然的に価格を上げざるを得ない。
こんな時代を生きる本好きの私の救世主は、やはりブックオフ様だ。
いつの間にか単行本の110円コーナーが220円コーナーになってしまった昨今も、文庫本は110円コーナーが健在で、実にたくさんの商品が売っている(しかもそんなに状態も悪くない)。多分、一度読んだら売ってしまう人が多いのだろう。
本はめちゃくちゃ大事に扱う方だけど、110円で買った本なら、酒を飲んだりつまみを食べたりしながら触ることも抵抗もない。むしろ、ちょっとボロかったり汚れている本を読んでいるくらいの方が、側から見たらカッコよかったりする。
最近中古で買ったのは村上春樹の短編小説『螢・納屋を焼く・その他の短編』の文庫本。
原書は1984年に刊行されていて文庫本は1987年に発売。
この表紙がシンプルかつオシャレで好きなんだが。電車の中で読んでいる男がいたら、少しカッコよくないですかね?
おしまい