歳を取るにつれ、思いやりとか利他の精神といった10代の時には1ミクロも自分の中になかったものが自分の中で芽生え、大きくなっている。
ただ、思いやり・誠実さ・感謝など、こういった人として当たり前のことがまとまった書物は少なく、論語とこの前紹介したベンジャミン・フランクリンくらいだと思うのだ。
(ビジネス書の名著でいうと『人を動かす』とか『7つの習慣』あたりか)
ということで、何回か流し読みしたのみである論語を改めて最近学んでいる。
古典は原書に当たるのが大原則ではあるが、漢文を読み込むのは苦痛以外の何者でもないので、平易な解説書を読んでいる。
論語にはなかなか良いことが書かれている。
「徳は孤ならず、必ず隣有り」=正しいことをしていれば、必ず応援者が現れる
「利に放りて行えば、怨多し」=利益ばかり追求していると、恨まれる
「過ちて改めざる、是を過と謂う」=過ちを反省しないことが過ちだ(反省すれば本当の過ちではない)
など、現代の日常生活やビジネスで活かせるネタが盛りだくさんだ。
特に、今日紹介しておきたいのが、論語の冒頭にある
「人知らずして恨みず、また君子ならずや」という部分。
これは他人が評価してくれなくても、がっかりしたり人を恨んだりしても仕方がなく、努力を続けられる人が君子なのだ、と言っている。
これはサラリーマンとしては覚えておきたい教訓だし、何よりこの精神で仕事に向き合っていれば、今の会社で評価されなくても、毎日実力を積んでいくことが転職市場での評価につながるので、視野を広く保つために持っておきたい考え方である。
何より論語は「仁(=思いやり)」が論語の中心的な思想になっているのがいい。論語の中になんと105回も出てくる。
「年四十にして悪(にく)まるるは、其れ終わらんのみ」(=40歳にもなって他人から嫌われている人は、終わってる)とも論語は言っている。
そんな人として終わっているおっさんにならないためのエッセンスが論語には詰まっているので、ぜひ一読してみよう。
おしまい