死後三十年を経ていない作家の本は原則として手に取ろうとしなかった。そういう本しか俺は信用しない、と彼は言った。
「現代文学を信用しないというわけじゃない。ただ俺は時の洗礼を受けていないものを読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。人生は短い」
(永沢)
皆さん題名くらいは聞いたことがあると思います。
物語の中に主人公のワタナベが住む学生寮の上級生に永沢さんという人物がいます。
東大法学部に籍を置き、実家は名古屋で病院を経営。
のちに外務省に入省する。
独自の人生哲学を持っていて、ザ・モテる男という形容がふさわしい。
この永沢という男は主人公のワタナベをナンパの世界に引き入れるんですが、いちいち台詞がかっこいいんですよ。
長らく僕の憧れの男性像だった彼の名言を何回かに分けて紹介したいと思います。
今回は寮の食堂でワタナベと出会い、自身の読書に関する持論を語るシーンで永沢さんが発する言葉です。
書店に毎週のように入れ替わり並べられる新刊に踊らされないように、読むべき本を考えさせてくれる一言ではないでしょうか。